よく訓練されたsteamユーザーならばスクリーンショットを確認する必要すらなく、ゲーム名を一目見ただけでだいたいの内容を察することができるいわゆる「闇のゲーム」。部屋の中央に置かれたイスをマウスドラッグでせっせと回転させよう。制限時間内にどれだけ回転させられたかによって報酬が貰えるぞ。その報酬を使ってイスをアップグレードし、さらに速く多く回転させることでさらに多くの報酬を得ることができるのだ。
そんなゲームの何が面白いんだと思うかもしれない。そうだよ面白くないんだよ!昔のアニメとかでよく悪者に捕まった人たちが謎の棒を押して回す労働をさせられてるシーンがあるだろう。言うなればアレを疑似体験できるのがこのゲームだ。最初の2分ぐらいは楽しいかもしれないが、すぐに目からは光が消え失せ心の内には虚無が押し寄せてくるだろう。
しかしこのゲームはそこから先が凡百の闇ゲーとは一味違うところがある。イスの回転パートはまだ全体の半分にすぎず、イスの強化が進みその回転速度が一定以上に達した時、イスを宇宙に向かって打ち上げる「射出パート」がスタートするのだ。何を言ってるのか分からねーと思うが実際そうなんだから仕方ない。
そしてこの射出パートがまたえらい難しい。そりゃイスで宇宙に行こうってんだから難しいに決まってる。まず射出時の初速は回転パートでの回転速度に依存するため、今までは報酬さえ貰えればいいと雑にやっていた作業が一転、全身全霊をもって必死に回さなければならなくなる。無論イスがフル改造されていることは必須条件だ。射出後は上空から隕石だの飛行機だのといった障害物が降ってきて、これらに体当たりすることで(何故か)イスが加速してさらに高度を上げることができる。だがこれも一筋縄ではいかず、障害物はとんでもないスピードで通り過ぎていくので一瞬の判断をもってマウスを操作しなければならない。しかも降ってくる位置は毎回ランダムときたもんだ。素早いマウスの操作、とっさの反応速度、さらに時の運が全て合わさったところでようやく宇宙にたどり着きゲームクリアとなる。
クッソしょうもないゲームだが、そこそこ時間かかるし難易度的に苦労することもあって、宇宙に到達した時はなんだかんだで妙な達成感があった。値段も安いのでセールの時にでも雑にフレンドに投げつけてみてはどうか。もしかしたら何かの間違いで普通に楽しんでくれる人もいるかもしれない。
[steam] CHAIR SPINNING SIMULATOR 宇宙エンド space reached