メタルスラッグライクなゲームデザインをベースに、自キャラの育成要素だとか個性的なキャラクターによる会話シーンなど、今時の要素も盛り込んでカジュアルに寄せた2Dアクション。いやほんとにカジュアル。メタスラと言えばそりゃもうド鬼畜、死にゲー、高難易度ってもんだが、本作は基本システムこそそれっぽいもののあらゆる面で遊びやすく調整されている。
武器チェンジはステージ道中でドロップする武器アイテムを拾うことで行うところは同じだが、武器に弾数制限は無く、またデフォルトで３つまでストックしておくことが可能でいつでも切り替えることができる。このへんの調整が実に絶妙で、デフォルト武器ではちょうど上手い具合に当たらない位置に敵がいたり、中型機がギリギリ速攻撃破できない程度の硬さだったりして、状況に合わせて有効な武器を選択するというゲーム要素が上手く機能している。移動まわりの操作性もとても快適。ジャンプはボタンを押す長さで高さを調整できるマリオタイプで、しかも空中制御がめちゃめちゃ効くので感覚的に思い通りの動きがしやすい。残機ではなく体力制で数回ダメージを受けたくらいでは死なない上に回復アイテムもたくさん出るので、自キャラの強化と合わせて思うがまま撃ちまくり壊しまくり気持ち良くプレイすることができる。
しかしまあ親切すぎて張り合いが無いというのはある。あくまで持論だが、ゲームというのは理不尽さや不親切さがあるからこそ、ムキになって何度も何度も真剣にプレイしたくなるものだ。あまりにも多くの配慮がなされ、あまりにも親切丁寧にプレイヤーを庇護してくれるゲームというのはどうにも平坦で退屈に感じてしまう。悲しいかな、これは需要と供給のミスマッチと言えるだろう。クオリティの高さに対していまいち反響が薄いのもそのためではないかと思う。私のような厄介オタクではなく、もっとライトな層に広くアピールすることができればこのゲームはもっと評価されるはずだし、評価されるべきである。
[steam] 軟体轟輪ゲルタンク GELTANK エキスパートモード 1/2
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