淡い色の幻想的なビジュアルとハイスピードかつスタイリッシュに剣を振るう少女が印象的なプラットフォーマーアクション。ストアにあるPVを見た限りではとても面白そうに思えるのだが、レビューでの評価はどうもよろしくない模様。内容を読んでみると、なにやら「非人道的なゲーム」とか「クソみたいに難しすぎる」などの言葉が並んでいる。なんだコイツら情けねえな?難易度が高いからって自分の非力さを棚に上げてさも作品が悪いかのように言うのはよくないよ。どれ、ちょっとオレにやらせてみな?
クソみたいに難しすぎんだろこのゲーム!作った奴出てこいよ!どうなっとんだバーロ!制作者はプレイヤーにケンカ売ってんのかってレベルで理不尽・無法を容赦なく押し付けてくるゲームである。敵の攻撃力が高めなのはまあ最近のゲームではよくあることなので良いとしても、それに対して回復手段がほぼ存在しないので常にノーダメージ進行していないと簡単に死ぬ。ヒットバックが異常なほど大きく、足場の悪いところでダメージを受けたらだいたい吹っ飛ばされて穴に落ちて死ぬ(穴落ちは即死)。そうでなくてもダメージ硬直が長く、画面端で攻撃をくらったら硬直中に再び殴られてそのまま何もできずハメられて死ぬ。フィールドにはトゲやら毒ガスやらが至る所に設置されており、どうにか頑張って敵の攻撃を凌いだと思ったら地形トラップで死ぬ。
このようなゲームバランスになっているのには一応理由がある。こんなに死ぬゲームなのだからプレイヤーキャラはさぞ貧弱なのだろうと思うかもしれないが、実はそんなことはなくむしろプレイヤー側の性能はかなり高い。二段ジャンプに壁蹴り、ガード、緊急回避などなど使えるアクションが豊富で、しかもそれらの機動性が高く、思うがまま超高速でフィールドを駆け回ることができる。攻撃は上下左右に出せてしかもほぼ硬直無し。もちろんスタミナ消費のようなものも無く攻撃も移動も無制限に行える。プレイ道中ではさまざまな装備アイテムも手に入り、それらで自キャラの能力をさらに伸ばしたり特殊なスキルを付与することもできる。だがそれ以上に敵が強い!おそらく制作者は「プレイヤーが強いから敵はもっと強くてもいいよね?」という考えでこのような調整にしたのだろう。
そして満場一致で擁護不可能な部分がバグの存在だ。それもゲームが進行不能になるという笑えないタイプのバグである。私の場合は終盤の(何故か唐突に始まる)シューティングステージをクリアした後にマップが巻き戻って進行不能となった。フラグがおかしなことになってるのだと思い、ボスを倒す順番を変えたり会話シーンで選択肢を別のものを選んだりして3周ほどプレイしてみたがいずれも同じ場面で詰んでしまう。正直個人的にはけっこう楽しんだゲームだっただけにこれは残念すぎた。普通に進めるようにしてくれるだけでいいのでなんとかアプデして欲しいが、作者はもう開発放棄してるっぽいし望みは薄いかなあ。
進行不能などとんでもないと思うかもしれないが、いや実際とんでもないのは間違いないんだが、この場合においては実のところあまり驚きはしない。普段SNSやネットメディアなどで我々が目にしている「インディーズゲーム」たちはいわば選び抜かれた精鋭たち、インディーズの上澄みである。光の当たらぬインディーズの闇の中ではバグでクリア不能になっている程度のゲームは取り立てて珍しいものではない。深淵を覗き込む時、深淵はまったくこっちのことなんか見てないからさっさと別のゲームに行ったほうがいいぞ。
[steam] 7月 -July- シューティングステージクリアまで