メタルスラッグ

個人的評価 ★★★★
オススメ度 ★★★

 ゲームセンターには新作でもないのにどの店に行っても必ず置いてある定番タイトルというのがいくつかある(あった)。例えば「上海」、例えば「ストライカーズ1945」、そしてこの「メタルスラッグ」だ。

 今となっては説明不要の人気シリーズだが、1作目となるとさすがに後のシリーズに比べて細々とした仕様の違いや粗さが見えるところはある。私が初代を本腰入れて攻略し始めたのは3をプレイした後だったので、乗り物の砲塔の回転だとかボムが飛んでいく軌道など、初代特有の仕様に慣れるのに若干苦労した。 武器の性能もだいぶ違っていてフレイムがめっちゃ弱いのは衝撃的だったな。そして特筆すべきは「小ジャンプ」の存在だ。2Dアクションのジャンプ方式にはいくつか類型があり、メタスラシリーズはマリオやロックマンではなく「魂斗羅タイプ」のジャンプである。 しかし例外的に初代ではジャンプボタンを一瞬だけ押すことにより通常より低いジャンプが可能になっている。これがとても困る。正直言って有効的な使いどころが分からないし、それどころか出てほしくないところで暴発して死ぬことが多々ある。上級者はテクニックとして使いこなせるのだろうか?メタスラ黒歴史として5のスライディングがよくネタにされるが、この小ジャンプもだいぶ意味不明で不要なシステムだったと思う。もしかしたらただのバグかもしれないが。

 それとは反対に初代にしかない良さももちろん存在する。メタスラシリーズをやっている方はプレイしていて「乗り物降りるなよ!」と思ったことはないだろうか?後のシリーズでは使える乗り物が増えた一方で、そのせっかくの乗り物がゲーム側の都合で使用を禁じられてしまうという場面が多く見られるようになった。強力な兵器を手に入れて気持ちよく敵を粉微塵に吹っ飛ばしているところを無理やり引きずり降ろされ、生身での戦いを余儀なくされるのである。作品によってはラスボス戦で乗り物が出てこないものすらある。このゲームは「メタルスラッグ」だろ!乗らせろよ!

 初代はそこが違う。どのステージでも一度戦車に乗り込んだなら(壊されない限り)そのままクリアまで走っていける。謎の魔力でキャラが勝手に降りてしまい興を削がれるようなことは無い。何故ならこのゲームは「メタルスラッグ」だからだ。作品の世界観も初代ならではの空気がある。エイリアンだとか巨大生物だとかは存在せず、ひたすらに瓦礫と鉄臭さと硝煙にまみれたミリタリーベースの世界だ。もちろん作った当時はそんなことはまったく意図していなかっただろうが、結果的にはこれがシリーズで唯一無二の個性になってしまったな。

 まあ、上記はあくまでオタク的な視点での話だ。普通にアクションゲームとして楽しむなら後のシリーズのほうが遊びやすいのは間違いないのだから初代にこだわる必要はまったくないぞ。

[動画]

[PS4] メタルスラッグ ノーミスクリア

[リンク]

シリーズ総合公式サイト(跡地)

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