基本はひたすら敵と戦いながら右へ右へと進んでいくアクションシューティング。海外では「ガン＆ラン」などとも呼ばれる。ただし多くのアクションゲームと違い「ジャンプ」という操作が存在せず、敵の攻撃は移動かスライディング、もしくは無敵技で回避することになる。また道中やザコ敵といったものも無く、ステージは全て狭いフィールドで区切られた26体のボスとの連戦で構成される。申し訳程度だがローグライト的な要素があり、ボスを倒した時に複数のリワードから１つ選んでキャラを強化していくのが今時のゲームって感じ。
グラフィックやBGMがとても幻想的で落ち着いた雰囲気があるのと同時に、ひとたび戦闘が始まればゲーム的な派手さもガッツリ差し込んでくるところが個人的な評価ポイント。雨の降り続く森の中、魔法でも使いそうな可愛いウサギ（？）さん達が手に持ってるのは何故かマシンガンやライフルなどのガチ重火器である。しかもこの武器の演出がまた妙に迫真で、射撃時の腹に響くような効果音やリロード時に飛び散る薬莢など、細部に製作者の謎のこだわりがうかがえる。それがシンプルなゲーム性に華を添えており、キャラを動かしているだけでもなんとなく楽しめてしまうゲームだ。
ただしゲームバランスがよろしくない。ゲージ消費で使える無敵技が強すぎる。ゲージ消費とは言うものの、能力値がMAX近くになると使ったそばから一瞬でゲージが回復するようになるので、いとも容易くゴリ押しが通用してしまう。おかげで能力値が低い序盤がもっとも難しく、終盤になるほど楽になるというおかしな（ありがちな）ゲームになってしまっている。だからと言って無敵技を持ってないキャラを使うと今度は難しすぎてやってられない。これもありがちだな。
定価300円という価格設定を考えれば十分すぎるボリュームとクオリティだろう。作者は本作を「ミニゲーム」と称しているが、それは実に謙虚な物言いである。steamやDLsiteの低価格帯は魔窟ぞ……。
[steam] RAIN ISLAND normal 赤い子でクリア