地球征服を目論む邪悪なエイリアン…奴らは既に人間社会に巧みに潜り込み、着々とその計画を進行させていた!かつて父親をエイリアンに誘拐された主人公(プレイヤー)は秘密組織「B.A.I.T.」のエージェントとなり、恐るべきエイリアンたちの魔の手から世界を守るため人知れず戦うのだ。おそらく海外で最も有名なオカルト事件「ロズウェル事件」を題材にした本作は、X-FILEやメンインブラックなどの設定とGTAのようなオープン型のゲームルールを取り入れ、さらにそれらをミキサーにかけて粉砕し鼻から吸引したようなアクションアドベンチャーである。
ゲームの流れはこうだ。オフィスで装備のアップグレードやアバターの着替えなどを行った後、ミッションを選択して出動。ミッションを遂行する舞台となるフィールドは各ミッションごとに独立しているものの、その中であれば基本的にはどこに行ってもいいし何をしてもいい。オープンワールドというよりオープンフィールドといったところか。適当に軍事施設から武器を奪ったりしながら目標地点に向かい、そこで与えられた任務をこなせばクリア。報酬とともに再びオフィスに戻ってくる。秘密組織の一員になってエイリアンがらみの事件を解決していくなんて、よくありそうなものだがゲームでは意外と見ない題材だ。これにはとても興味をそそられる。プレステに毛が生えたような雑なグラフィックも、そういった設定のうさん臭さを演出するのに一役買っていてそれほどマイナス要素にはなっていない。
で、シンプルな話、それが面白いのかということだが…まあ、それはアレだよ…キミ、分かるだろ?オープンワールド的なゲームが何故面白いのかというと、それは大量のカネと時間をかけて多種多様なコンテンツをこれでもかとゲーム内にぶち込んでくるからだ。それと同じことを低予算小規模のこのゲームができるハズもないのは自明の理なわけで、何もかもが「足りない」ハリボテになってしまっているのが実情だ。ミッション中はフィールド内を自由に動けると書いたが、本当にただ動けるだけでお店とかNPCとかそんなモノはまったく存在しないので大半はただ指示された地点にまっすぐ向かうだけである。ミッションの内容もほとんどがキルゼムオール、とにかく片っ端から撃ちまくって敵を倒すだけだ。一般市民のいる目の前で普通にUFOめがけてロケットランチャーをぶっ放す秘密組織はコソコソした諜報活動などしないのだ。まあおかげで英語が分からなくても雰囲気でだいたいクリアできるので助かった部分もあるんだが。
一粒いくらのバカゲーである。適当にプレイして、適当に一通り笑って、それで楽しく終わるのがこのゲームの正しい遊び方だろう。真面目にクリア目指して翻訳サイト片手に英文を解読したり、途中でセーブデータがバグって最初からやり直すハメになってもプレイし続けたり、ゲームクリアの実績が何故か取れなくてわざわざ2周クリアしたり、動画を撮るためにさらに3周目もプレイするようなゲームではない。そんな遊び方をする奴がいるとしたら相当な暇人かアホなので近づいてはいけない。
[steam] AGENT ROSWELL #1
[steam] AGENT ROSWELL #2
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[steam] AGENT ROSWELL #5(完)