シムシティ(SFC)

個人的評価 ★★★★★
オススメ度 ★★★★

 バンゲリングベイの開発者としてもよく知られるウィル・ライト氏が、バンゲリングベイの製作に用いたマップエディタを流用して作ったというシミュレーションゲームの金字塔。オリジナルのシムシティは1989年にコンソール機(PC)で発売され、その後任天堂の手によっていくつかの追加要素やアレンジを加えた移植版がスーパーファミコンにて発売された。ここで扱うのはそのSFC版のほうである。他のはやったことないからね。

 ジャンルとしては街づくりシミュレーションだが、現在におけるそれとはだいぶゲームの方向性が異なる点に注意したい。現在のシムシティシリーズやそれに類するシティーズスカイラインなどのシミュレーションゲームが目指すところは、おそらく自由な都市づくりにあると言えるだろう。多少のゲーム的な制約や障害はあるだろうが、プレイヤーは自分の思い描く理想の都市を作ることを目的としてこれらのゲームをプレイするはずだ。そしてそのための手段もまたゲーム中に数多く存在し、プレイヤーは多種多様な方法で都市を発展させていくことができる。

 対してこの初代シムシティというゲームは制約が非常〜に多い。ハード性能の限界であまり多くの変数をシミュレートできないため、どうしてもプレイ内容が「システム的」になる。ゲーム内には都市の発展を制御する明確な法則が存在し、その法則をプレイヤーが正しく理解し活用するテクニックが要求される。思うがままに道を敷き、その場の思い付きだけで住宅や商業地を建てていくと、おそらく人口10万〜20万人ぐらいで土地が無くなって何もできなくなることだろう。初代にはマップを広げる機能は無い。建物が置けなくなったら事実上そこが終点だ。都市の発展イコール人口を増やすことを目的とするならば、自由な都市作りなどとてもじゃないができたものではない。

 なのでこのゲームはシミュレーションというよりはストラテジーと呼ばれるジャンルに近いゲーム性なのではないかと思う。シヴィライゼーションとか信長の野望とかああいう感じの。ユニット(=設置物)がどんな性能を持っていて周囲にどんな影響を及ぼすのかを把握し、コストとリターン、メリットとデメリットを天秤にかけながら一手一手を慎重に刻んでいく。パラメータの変動には常に気を配り、問題が発生すればすぐに排除、もしくは障害になりそうな要素を予測して先手を打って潰しておく。無数にある選択肢の中から最適解をいかに選ぶかというゲームだ。制約があることを逆にゲーム性として楽しむのである。そのような遊び方ができるようになると初代シムシティは無限の可能性を秘めた神ゲーと化すぞ。

[動画]

[SimCity] 地獄みたいな60万人都市を作る

[リンク]

シリーズ公式(SFC版は無関係)

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