限定されたフィールド内で無限に湧き出る敵をひたすら倒し続ける、アリーナシューターと呼ばれるタイプのFPS。ストーリーや会話シーンなどは一切なく、プレイヤーは唐突に湖に囲まれた小さな島に独り放り込まれ、なんの説明もないまま襲い来る謎のロボット軍団を相手に戦うことになる。中小であってもメーカーはこういうゲームはほとんど作らないので一般的にはマイナーな扱いだと思われるが、インディーズ界においては毎日のように新作がリリースされている定番ジャンルのひとつである。
FPSとしてはいわゆるスポーツ系(死語か?)のゲーム性。常にピョンピョン飛び跳ねながらひたすら動き続けて敵の攻撃を捌きつつ、素早いエイムで攻撃を「差し込む」形で敵を撃破していく。一応右クリックでのサイティングはできるが足を止めたらだいたい死ぬので使う場面はあまり無いだろう。武器は最初はハンドガンのみで、ウェーブが進んでいくと新しい武器を積んだコンテナロボ?が登場し次第に使える武器が増えていく。フィールドの両端には弾薬と回復アイテムがポップする装置が置いてあり、これらアイテムは取得すると数十秒のクールタイムを要するがゲームが続く限り無限に供給される。まあとにもかくにもFPSだ。これといって特別なことは何もない、敵に弾を当てるゲームである。
使用されているモーションやモデルなどはおそらくストアにあるアセットをそのままぶち込んだものだろう。ボリュームは薄いしとてもこぢんまりとした安っぽいゲームである。だがそれで十分だ。シンプルなゲーム性ながらデタラメに動いていてはすぐ死んでしまう程度には難易度が高く、回復アイテムを取るタイミングや敵の行動パターンを分析しながら攻略法を構築していく奥深さはある。またゲーム開始前にプレイヤーの能力や武器を強化するパークをいくつか選択するのだが、これがどれも捨てがたい有用なものばかりで、いろいろな組み合わせを試しながら自分好みのビルドを考えるのがなかなか楽しい。
この手の低価格3Dゲーは買ってみるまで良し悪しの判断がつかないギャンブルであることが多いのだがこれは「当たり」だった。めちゃくちゃ面白いってわけではないし何か際立った個性があるわけでもない。しかしなんとなく楽しくてなんとなくプレイし続けてしまう、そんなゲームである。