とてもミニマルで必要十分って感じのタクティカルシミュレーション。閉鎖された宇宙研究所を舞台に、2人の少女が生存者の救助と事態の収束のために最深部へと向かう…といった導入なのだが、プレイヤー側が使えるユニットは最初から最後までこの2人とプラス捕獲した敵1体だけである。
主人公の1人、ディオは純アタッカーで使用回数無限の近接攻撃のほか、回数制限のある強力な特殊武器を扱うことができる。一方その相棒であるアンドロイドのナエは完全なサポートタイプ。攻撃手段を一切持っておらず、念動力のようなもので障害物を敵にぶつけたり、ハッキングで敵を捕獲して戦わせることができる。両者ともできることとできないこと、ゲーム内における役割分担が非常にはっきりしているため、シミュゲーにありがちな「もうアイツだけでいいんじゃないかな」という状況にならない。このへんはかなり上手く作られていてパーティメンバーが少ないことがかえって戦略性を高めていると言える。
また攻略の自由度も意外なほど高い。育成要素として強化アイテムを消費することでキャラクターの各能力や武器性能を伸ばすことができるのだが、これもまた絶妙な調整になっていてこれを上げておけば間違いないというセオリーが存在しない(私がプレイした限りでは、だが)。攻撃ガン積みでもよし、防御をカチカチにするもよし、捕獲した敵も強化できるのでいっそ敵を鍛えまくるのでもいい。シナリオ的にはほぼ一本道だがその攻略法においては多様なプレイスタイルを許容してくれるのがこのゲームだ。
しかしまあリプレイ性は薄いと思う。一応ローグライク要素があってプレイごとにマップの構造が変わるのだが、正直あまり面白さに繋がっているとは思えない。一発逆転のレアドロップとか逆に何か一転ピンチになるトラップとかも無いので、プレイしていて意外性はほとんどなく全てが計画と予想の範囲内に収まってしまう。とりあえず2種類のエンディングを見たらだいたい満足してしまうことだろう。もっとも、定価700円という値段を考えればそれだけ遊べれば十分だ。
[steam] TETRA CUBE hard rankSクリア 1/2
[steam] TETRA CUBE hard rankSクリア 2/2