古の民にはバイナリーランドと言えばもっとも分かりやすいだろう。ゲーム画面は左右に2分割されており、それぞれのフィールドには自機が1機ずつ存在する。この2つの自機はまさしく「Two by One」の関係にあって、コントローラーの右を押せば2機とも右に動き、ショットボタンを押せば2機ともショットを撃つといった具合に操作を共有している。もちろんどちらか片方が敵弾に当たればその場で双方ともアウトだ。自機のショットは自分のフィールドの敵だけでなく中央の境界を越えて対岸の敵にも攻撃することができるが、同じように敵の攻撃もまた境界を越えて飛んでくるため、自機狙い弾などは撃たせる方向も考えて動かなければならない。同時に進行する別々のゲームを1つのコントローラーでプレイするような感覚だ。
上記の説明を見るに、なんとなく面白そうな雰囲気はあるな?独創的なアイデアで今までに無いゲーム体験をさせてくれそうだな?じゃあやってみろよォ!このゲームをよォ!Two by Oneしてみろよォォォ!……失礼、取り乱してしまった。このゲームをプレイした者は精神に異常をきたしてしまうのだ。確かに斬新であるとは言える。が、個人的な見地から言わせてもらえばこれはSTGじゃない。もっと何かこう実験的な、例えるなら「壺おじ」や「ジャンプキング」といったいわゆる耐久ゲー・苦行ゲーと呼ばれるものと同類のものだ。
言うまでもなくSTGとしての爽快感だとか楽しさは微塵も無い。見てから避けられるような攻撃はほぼ存在せず、プレイ時間の大部分はひたすら死んで死んで死にまくることになる。「右に行ったら死んだ。じゃあ次は左だな。でも左に行ったら数秒後にまた死んだ。じゃあ左に行ってからちょっと待って上かな」そんなやり取りを1ステージごとに数百回ちかく繰り返すのだ。ちなみにステージ数は全部で75あるから長く遊べるぞ良かったな。 さらにその苦行を助長するのが演出面での酷さだ。色が白と黒しかないのは最初はセンス良いと思えても、見た目の変化がまったく無いのでずっとそれが続いてくると気が滅入ってくる。変化がないのは見た目だけでなく音もだ。ショットの発射音も敵を倒した時の爆発音もなく、BGMはボス戦と通常ステージの2曲だけ。そんな虚無の空間で記号のようなモノを相手にひたすらリトライを繰り返すのだ。これが苦行でなくて何なのだ。
そんなに酷いわけがないと思うか?記事を面白くするために大げさに書いてるだけと思うか?じゃあやってみろよォ!お前がよォ!Two by Oneしてみろよォォォ!