「ASTRO PORTにハズレ無し」の法則はサークル初期にリリースされた本作においても相違なし。手触りの良い操作感と遊びやすい難易度で広くオススメできる横スクロールSTGだ。まあ上の難易度を目指すとなるとさすがに相応に難しくなるが。自分がやった中では最高難易度でのクリアはヴォルフレイムの次ぐらいに難しかった。
操作方法自体は通常ショットとゲージ消費の特殊攻撃の２つを使い分けつつ進むオーソドックスなもの。ボムだとか低速移動だとかいったものは存在しない、とてもシンプルで硬派な仕様だ。ただゲーム開始前の武装の選択システムが少々特徴的。特殊攻撃は「チャージショット」という呼称のせいで少々紛らわしいが、これはボタンを押して溜めるとかいうものではなく、時間とともに自動でゲージが増加していきゲージがフルになると使用できるようになるというものである。そしてゲージの増加するスピードはそれぞれのチャージショットごとに異なるだけでなく、他の武装によっても影響を受ける。つまり溜まるのが遅いチャージショットを選んだとしても、ゲージ効率の良いメインウェポンやサブウェポンと組み合わせれば回転率を上げることができるのだ。逆にメインショットに強力なものを選んだりするとゲージ増加速度が大きく下がり、回転率の良いチャージショットでもなかなか撃てなくなってしまう。武装の種類は決して多いわけではないが、あれこれ試してゲージ効率と通常ショットの強さの妥協点を探すのはなかなかに奥が深く楽しい。
だが突き詰めていくと必然的にパイルバンカー一択に収束しまうのは少々寂しいところ。高難易度モードでは敵の攻撃が激しすぎてまともに避けれたものではないので、攻撃される前に敵を倒せてさらに敵弾を消すことができるというパイルバンカーが絶対的に有利。またスコア稼ぎにおいても敵を早く倒すほどスコアに高い倍率がかかるので、これまた露骨にパイルを使えとでも言うような調整である。「良いゲーム」であることは間違いないのだが、それと同時に何か鋭く尖った部分もぶっちゃけあんまり無い。まあ遊びやすい「良いゲーム」だ。
ちなみに本作は完全新作というわけではなく、メインの制作者の一人であるSAK氏がかつてデザエモンで作った「機兵序曲（タイトル間違ってるかも）」というゲームがオリジナルだとされている。Grand CrossやDevil Bladeと同じく、これもデザエモンからのリバイバル作品というわけだ。現在のインディーSTG界にデザエモンがこれほどまでに広く大きな影響を与えていたとは驚きである。
[PC] ARMED SEVEN insaneモード Gold Dragon獲得 Rifle/Rocket/Missile