プロギアやケツイなどCAVEシューのテイストが強く感じられるゲーム。対ザコ敵や素早く動きたいときは通常ショット、硬い敵に対してはロックショットという、今となってはお馴染みの操作系で、システム的にはこれといった大きな特徴は無い。稼ぎにおいても多少細かなルールはあるものの、基本的には通常ショットでカウンタを増やしてロックショットで倍率をかける、というこれもまたCAVEシューではよく見かけるスコアシステムである。だがそのオーソドックスなシステムは自信の現れなのかもしれない。つまりこのゲーム、単純に出来が良い。どこにでもあるゲーム性ながらその品質においてとてもハイレベルな位置にあり、奇抜な発想や革新性など無くても何も問題にならないのだ。おそらく製作者自身がSTG好きで、しかもかなりの腕を持つプレイヤーなのだろう。CAVEシューがなんか人気だからそれっぽい感じにしてみました、程度の安易な模倣ではなく、なぜ人気なのか、どの部分が優れているのかを研究し理解した上でデザインを寄せてきているという感じがする。
ビジュアルの面でも地味ながらセンスが良い。敵などは現代的なミリタリー風の兵器とSFチックなトンデモ兵器がちょうど上手い具合に混ざり合って、ギリギリ嘘臭くない説得力あるものに仕上がっていて面白い。またシブいのがその見せ方である。３ボスの登場シーンなどは別段手間をかけて作り込んであるわけでもなく、技術的に何か難しいことをやっているわけでもないのに、めちゃくちゃカッコ良くてインパクトのある演出になっている。すなわちセンスである。センスを真似することはできない…となれば、このゲームは「ホンモノ」だということだ。
ただちょっと引っかかるのが弾幕というか敵弾の性質についてだ。このゲーム、事故死がそりゃもう多くてまったくプレイが安定しない。パターン化できたように思えてもなんでもないようなところでボッコボコ弾に当たる。なんでそんな事故るのかというと、敵の弾の軌道がなんだか妙なのだ。自機狙いに見えて微妙に位置を外したところに弾を飛ばしたり、直線弾に見えて少しカーブしてたり、等速に見えてわずかに加速していたり、そういった意地の悪い弾がとても多い。なので等速や直線だと思って感覚的に避けようとすると弾にぶつかって死ぬ。手の込んだ作りと言えばそうではあるのだが、少なからず騙し討ちみたいな感じがしてあまり面白さに繋がっているようには思えない。
またストイックすぎるゲーム内容ゆえにライト層にはあまり向かないだろうなと思う。腰を据えてガッツリ攻略したい人、より高みを目指すガチシューター向けのゲームだと言えるだろう。
[PC] バトルトラバース BATTLE TRAVERSE hard 2周ALL