まずプレイ時間が長い。尋常じゃなく長い。セーブ機能が無いにも関わらず、クリアまで軽く３時間以上かかる。一応ショートカットすることもできるが、それでも１時間はかかる長さだ。武装の種類もアホほど多い。メインショット・チャージショット・サブウェポン・ボム全種合わせて実に100種類ちかくの攻撃手段が存在する。中にはごく低確率でしか出現しないレア武器もあり、おそらく100時間プレイしても全ての武装を見ることは叶わないだろう。そしてよく死ぬ。ゲーム全編に渡ってこれでもかというほどの初見殺しのオンパレードなので、そりゃもう景気よくボッコンボッコン死にまくる。ただしそれを見越してか1UPアイテムも山ほど出るのでクリア自体の難易度はそれほど高くはない。
正直言ってひどく大雑把なゲームである。 だがこのゲームが際立ってるのが、その大雑把さや作りの粗さを面白さとして転化することに成功している点だ。例えば「画面の後ろからいきなり敵が出てきて死ぬ」というデザインはSTGにおいてクソ要素とみなされる場合が多い。が、このゲームではそういった理不尽な即死ポイントが多数あるおかげで、武装を「切り替えざるを得ない」状況が生まれ、大量に存在する武器アイテムが意味を持つようになるのだ。これが一般的なSTGと同じノーミス進行前提のデザインだったら、序盤で武装を揃えてあとはひたすらアイテムを避け続けるゲームになっていただろう。実際そういうゲームは多い。まあ正直なところ、こうした各要素の整合性についてどこまで製作者が意図したものなのか怪しい部分もあるんだが…結果的に面白くなってるならそれでいいか。
尖ったゲームなので好き嫌いは分かれるだろうし、最初は「なんだこのゲーム」と思うかもしれない。しかし遊び方が分かれば何十時間でも遊び続けられる中毒性の高いゲームだ。なおDL版には作者自身による詳細な攻略データが付属しており、クリアを目指すうえでめちゃくちゃ役に立つので熟読しよう。
[PC] カンブリア・ソード CAMBRIA SWORD フルステージ 1cc