言ってしまえば砂漠の砂粒ほどもある東方フォロワーのうちのひとつだが、その品質においてはそんじょそこらの東方ライクより頭一つ抜きん出た作りの良さである。 っていうかこの界隈はやべーゲームが多すぎる。人気の理由をろくに考察も研究もせず、何ならプレイすらしないで適当に見た目だけそれっぽく真似て人気にあやかろうとする魑魅魍魎のなんと多いことか。 インディー弾幕シューの世界はまさに魔界である。その中にあって本作はとても人間味のあるゲームだと言えるだろう。 グラフィック良し、弾幕良し、シナリオ…もまあ良し。当たり判定だとかキャラ移動の操作感なんかも良好でストレス無く感覚的にプレイできる。 まあ演出や配色のせいで敵弾が見にくい場面が多少あってそこはマイナスだが。特に画面が揺れまくってるところに平気で敵弾が飛んでくる猫メイドのボスは酷いと思った。 あとキャラ差。ホーミングは一応隠しキャラ扱いだから強いのは当然としても、直線ショットの子は弱すぎじゃないだろうか。
システム面ではアイテム回収や敵弾のカスりが攻略上でも大きく影響するデザインが個人的に面白かったポイントだ。 アイテムの取得や敵弾にカスると自機のショットが強化されていくのだが、ショットレベルとボムのリソースは共有の関係にあって、ボムを使うとショットレベルが下がってしまうのだ。 ショットレベルを維持するためにボムらず頑張って避けるか、ショットを犠牲にしてでもボムって安全に難所を切り抜けるか、そのリスクとリターンが上手いこと釣り合っていてボムを使うタイミングとパワーアップの回収を計算しながら攻略していくのが楽しい。 それを詰めていった結果、最終的には何のゲームか分からない方向にぶっ飛んでいってしまったわけだがそれもまたヨシ。 正直言ってあの攻略法を見つけていなかったらそこまでこのゲームをプレイすることはなかっただろうし、動画も撮らなかったと思う。結果的にはアレでよかったのだ。
また、印象的だったのはプレイヤー層が大きく割れたことだ。 似たようなゲーム性に見える「コスモドリーマー」と本作は発売日が非常に近かったのだが、私の周囲では国内勢はコスモドリーマー、海外勢はDANMAKAIとゲームのチョイスが真っ二つに別れた。 淡い色使いにファンシーな雰囲気のコスモドリーマーより、濃い色使いとナード寄りの雰囲気があるDANMAkAIのほうが、海外のプレイヤーにとっては興味を惹かれるものだったのだろうか。 作者の性癖を知ってるとコスモドリーマーのほうがぶっちぎりでナードなんだがそれは気にしないでおこう。ちなみにこれはあくまでどちらを先に選ぶかという話だ。 実際には両者のゲーム性はまったく別のものだし、プレイすれば海外プレイヤーもコスモドリーマーのほうを気に入るかもしれない。 もっとも、プレイしてもらわなければ評価も何もないので、第一印象が重要であることには変わりない。
ちなみに作者は（何故か）Vtuberとしても活動していて（何故か）ゲームではなく料理の動画をよく投稿しているので興味があったら↓のリンクからどうぞ。
[steam] DANMAKAI -Red Forbidden Fruit- Lunatic ダイアナ 17億