見た目からして「おっ、良さそうじゃん」と思わせるセンス溢れるグラフィック。ドットアニメで描かれたオープニングムービーにオールドゲーマー達のハートは釘付けだ。そうして興奮冷めやらぬままゲームを始めた彼らは3分後には目から血を流して地面をのたうち回ることになるだろう。
恐るべき難易度である。自機のショットはあまりに貧弱でザコ敵すらろくに倒せないのに、敵は容赦なく次から次へと猛攻を仕掛けてくる。防御手段として自機周辺の敵弾を消せる「バースト」があるが、範囲は狭いしそもそも消せない攻撃がけっこうあるので結局使いどころが難しい。ボス戦にいたってはもう何というか…難しいとか以前に「分からない」。攻撃に対してどう対処すればいいのか、どうすれば避けられるのか、ほんとに分からん。あまりに無慈悲で、あまりに理不尽なゲーム内容はややもするとクソゲーに片足を突っ込んでるとさえ言える。
しかしゲーム内のフレーバーテキストなどを見るに、どうもこれらの「悪意」は意図してデザインされたものではないかと思う。おそらく製作者はプレイヤーをイラつかせたり、プレイを諦めさせるためにわざと理不尽でストレスフルなゲーム作りをしている。つまりこれは「挑戦状」なのだ。クリアできるものならやってみろ、という製作者からのメッセージである。
その姿勢を快く思わない者もいるだろう。ゲームは娯楽だ。ましてや金を取っているのだから、クリエイターはその価格に見合った楽しさをユーザーに提供する責任がある。だがまあ、個人的にはたまにはこういうゲームがあってもいいんじゃない?と思う。それに悪評のほとんどは難易度に対するものであり、ゲームの基本的な作りは極めて高いレベルにあることは間違いないのだ。もしこのゲームを娯楽ではなく、一種のスポーツのようなものとして捉えることができる人ならば非常に充実した体験となることだろう。
なお私は遠慮しておく。
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