DORMANT - Episode Galatea #1 -

個人的評価 ★★
オススメ度 ★★

 steamのストアページでPVを見た時、はっきり言ってこれは期待できそうにないなと思った。だが俺が気になったのは……値段だ。そのお値段1500円。steamのインディーズSTGとしてはえらい強気な価格設定だ。よっぽど自分のゲームに自信があるのか、はたまた単に相場を読み違えただけか。

 そこで今度は作者のことを調べてみるとなんだかこれも不思議な感じだ。日本の同人やインディーズゲームの作者というのは横の繋がりがとても強い傾向にある。プロジェクトとしてなんの関係性もなくとも、それぞれのゲーム開発者がSNSやDiscordで親交を深め、時にはオフラインで実際に顔を合わせるなどして、皆が友人のように繋がり開発者同士のネットワークを形成している。いわばインディーズゲームというジャンルそれ自体がひとつの巨大な「共同体」なのである。しかし当然すべての開発者がそうというわけではない。中にはどのグループにも属さず、何者とも交わらず、ただひたすら孤独に黙々とゲームを作り続けている仙人みたいなインディーズ開発者も存在する。このゲームの作者もそんなゲーム仙人の一人に見えた。

 そんな人間が作るSTGとはいったいどのようなものなのだろうか。ゲーム内容よりもその作家性のほうが気になって購入に至った、自分の購入動機としては珍しい例である。そうして実際の内容はどうなのかとこの目で確かめてみたところ…普通だな!何かブッ飛んだ特徴があるわけでもなく、ぶっちゃけPVで見て想像した通りのゲームだった。つまりよくある東方ライクだ。若干ではあるがCAVEシューのテイストも入っていて、自キャラのデザインやハイパーシステムにその影響を見ることができる。各ボスの弾幕はそれぞれ特徴がしっかり出てるし、無作為なランダムばら撒きに頼らずちゃんと形と避け方を意識した作りになっているのは良いところだ。スカスカと見せかけて途中でいきなり巨大化する敵弾は面白いと思った。

 あまり品質が高いとは言えないゲームではあるが、たぶん手を抜いたりいい加減な気持ちで作ってそうなったわけではないだろう。作者はすげー頑張ってこのゲーム作ったんだろうなっていうのはプレイしていてなんとなく感じることができる。それにシステムとか当たり判定だとかの基本設計に何か破綻があるわけではなくSTGとしての土台はしっかり作られているので、続編を作りながらブラッシュアップしていけばいつか化けるかもしれない。でも次も1500円だったらちょっと考えさせて。

[動画]

[steam] DORMANT -Episode Galatea- hard 1cc 25145030pts

[リンク]

steam

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