ゲーム業界に古くから存在する悪しき風習のひとつに「とりあえず言っとけ」というものがある。とにかくデカいことをデカい声で言ったもん勝ち。実際はどうなのか、現実的に可能なのか、そんなこたぁどうでもいいんだよ！…というアレだ。このスーファミ版グラディウスIIIもその風習にならって当時、「完全移植！」の触れ込みで大々的に発売されたゲームだ。完全ってお前…今だったら炎上案件だよなあ。
しかし完全移植でないから本作がダメなのかと言うとそんなことはまったくない。再現ができずバッサリ切り捨てられた要素が多いと同時に家庭用で追加された要素がとても多く、そしてそれら１つ１つのクオリティが十分なほどに高いのだ。これは英断だったと言えるだろう。家庭用とアーケードのハード性能に埋めることのできない差があった当時、アーケード移植タイトルの中には相当無理をした結果、ゲームとして非常に粗雑なモノになってしまったケースが多く見られた。ならば最初から移植は諦めて大胆アレンジにしてしまおうという判断は間違っていないと思う。高速面とかぶっちゃけアーケードのアレ要らないよね。スーファミ版のでいいよね。
個人的にとても思い入れのあるゲームなので正直言って客観的に評価するのがだいぶ難しいが、ネットの評価を見ても突っ込まれてるのはだいたい「完全移植」の部分でゲーム的な不備を指摘されてるわけではないので、STGとして高い水準にあるのは確かなはず。昨今のSTG移植のアレンジモードもこれぐらい大胆にイジり倒してしまってもいいんじゃないかと思うが、まあ開発コストの面で厳しいんだろうな……。
[SFC] グラディウスIII いろいろやりながら１周クリア
特に無し