グラディウスIV

個人的評価 ★★★
オススメ度 ★★

IIIから実に10年の時を経てアーケードに「復活」したグラディウスの正規ナンバリング。が、どうにもパッとしなかった印象がある。何しろ当時は弾幕ブームの真っ只中で、加えてハード性能の向上による新しい表現(主に3D)が次々と生まれていた頃だ。衰退だの冬の時代だの言われていたSTG界もそれまでの閉塞感をなんとか打ち破ろうと、各社躍起になってあの手この手で「新しいゲーム」の在り方を模索し続けていた。

そんな中でこのグラIVはあまりにも…古かった。新作なのに古かった。グラフィック能力は確かに向上してはいるのだが肝心のゲーム内容の部分で目新しさに乏しく、あまりにも旧態然としたデザインに落ち着いてしまっていた。進めど進めどなんかどこかで見たことのあるステージばかりなのだ。サブタイトルの「復活」はストーリーの部分にもかかっていて、グラディウスIIの敵が「復活」したのでそれを倒しに行くというのがIVの導入部なのだが、だからってステージの構成もIIと同じようなものにする必要はなかっただろう。まあそう思うのは私がそこまでグラディウスシリーズに思い入れが無いせいもあるかもしれない。グラディウスファンならたぶん1面を見た時に相当テンション上がったんじゃないだろうか。

また少々マニアックな視点で見た場合、他のグラシリーズと大きく異なる点としてIVは攻略の多様性が高いということが挙げられる。例えば初心者が1周クリアを目指すとなった時、もっとも効率的な装備は何かを考えると、IIなら4番、IIIならエディットといった具合に鉄板とされる明確な答えが存在する。攻略パターンにおいてもこうするのが一番楽、このボスはこうやって倒す、という定石がだいたい決まっており、プレイヤーはそれをなぞることに終始する結果となってしまいがちだ。

そこへ来るとIVの攻略は千差万別である。装備は6番が楽だという者もいれば4番が良いという者もいる。私自身、5番装備は実はかなりクリアしやすいんじゃないか説を推している者の一人だ。さらには同じ装備でも人によって立ち回りはかなり変わってくる。1面ボスは何色を選ぶか?オプハン調整はどこでやるか?レーザーは取るか?触手団子は倒しに行く?モアイや高速面のルート選択は?――これといった正解が存在せず、プレイヤーが自分で考え、自分だけの攻略パターンを作っていく。それがグラディウスIVの楽しさである。

カジュアルに遊ぶならIIや外伝、尖ったゲームを求めるならIII、グラフィックや演出面ではV…とあってどうにも立場が微妙なこのグラIV。アーケード作品だけに難易度も高くライト層にはオススメしづらいものの、シリーズ経験者がさらなる高みを目指すための一作としては悪くない選択肢だと思う。

[動画]

[PS2] グラディウスIV 5番装備で1周クリア

[リンク]

アケアカはよ

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