後にメタルスラッグシリーズを生み出すことになるクリエイター達による潜水艦ゲー。メタスラは「海底大戦争の戦車版を作ろう」というところからプロジェクトがスタートしたとのことなので、本作は実質「メタルスラッグ・ゼロ」だと言える。こっちが先だから正確にはメタスラが海底大戦争2なんだけどまあ細けぇこたあいいんだよ。移植版が発売された当時、STGにしては珍しくテレビCMを頻繁に流していたので名前だけは知っているという方も多いだろう。
さすがのアイレムゲーと言ったところか、ガチガチのパターンゲーでアドリブはほぼ通用しない(というか一般的なSTGの作法が通用しない)。何しろ自機の移動速度がめちゃくちゃ遅い。もちろん当たり判定もめちゃくちゃデカい。そして潜水艦なので当然のこと水中しか移動できない。地形に当たってもミスにはならないものの、プレイヤーが自由に動ける範囲が極端に制限される場面が多いのだ。2面なんか移動できる範囲が全画面の1割ぐらいしかないぞマジで。一方で敵はお構いなしに空から海中からひっきりなしに攻撃してくるもんだからたまったもんじゃない。
それでも不思議と理不尽な感じがしないのはこのゲームに説得力があるからだろう。職人芸のドット絵を始めとしてゲーム全体の雰囲気に強い説得力があるため、足が遅くても水中しか移動できなくても「でも潜水艦ってそういうモンでしょ」という大前提に納得し受け入れてしまうのだ。爽快感とは無縁のゲームだがその窮屈さ不自由さこそがこのゲームの楽しさでもある。