同社の縦スクロールSTGギンガフォースに登場するボス敵である「ナツキ」を主人公に据えた外伝作。当初はXboxOne専用タイトルとして開発がスタートしたことで、数多くのユーザーから「正気か」「無茶しやがって」とさんざん心配されていた。そればかりかその後待てど暮らせど一向に発売のめどが立たず、本当に開発しているのか、本当に発売されるのか、ややもすれば開発中止でもはやプレイすることは叶わないのではないかと皆が諦めかけた頃によ〜〜〜やく発売された難産タイトルである。開発初期に発表された動画と実際に発売されたゲーム内容を比べても大した違いがあるようには見えないので、もしかしたらゲーム自体はだいぶ前にほぼ完成していて何か発売できない事情があったのかもしれない。
さてそのゲーム内容についてだが、おそらく「どの視点から評価するか」によって大きく変わるのではないかと思う。私の場合、このゲームには「ギンガフォースのその先」を期待していた。ギンガフォースで見せてくれた、既存のアーケードスタイルからの脱却という方向性をさらに伸ばしてきてくれるものと思っていた。しかし実際は違った。前作にあった機体のカスタイマイズやステージ内の小規模ミッション、プレイ中に展開される会話パートなどはむしろその規模が縮小され、アーケードスタイルに寄ったデザインになった。日和ったか〜?Qute日和ったかあ〜?しかしまあ、今の時代そういう判断は難しいのだろう。期待通りではなかったしガッカリもしたが納得はできる。
それに、私とは逆にこのゲームにアーケードライクな楽しさを求めるとするならば、この完成度は大いに満足できるにものになっていると言えるだろう。ぶっちゃけ前作のエネルギーシステムは嫌いな人多かったと思うし、個人的にもアレで何かゲーム性に深みが生まれているようには到底思えなかった。今作ではエネルギーは廃止され、代わりにシールドの攻撃性が増してゲージ消費の必殺技のような役割を担うようになったことで、より派手で爽快感のあるプレイができるようになった。また横シューになって地形の複雑なステージが増えたこともあって、ステージごとの個性が前作よりも際立つようになったと思う。となれば当然、有効な武器の選択も重要になってくるわけで、ステージの特性を見極めて装備を切り替えながらゲームを進める戦略性は前作よりも増している。
良くなったところもあれば悪くなったところもあり、本作の是非は判断が難しいところだ。しかしSTGとしてクオリティの高いゲームであることは間違いない。Quteさんにはこの調子でもっと新作を出して欲しいものである。
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