読みは…「ニクシズ」でいいのだろうか?ショット+ボムのシンプルかつオーソドックスな弾幕STG。ストーリー無し、キャラ要素無し、演出らしい演出もほとんど無し。とにかく出てくる敵を撃ちまくり、飛んでくる弾を避けまくるのだ。一説によれば発売初日の売り上げはたった3本だったらしい。インディーズってレベルじゃねーぞ!さすがに3本は無いだろ、と思ったが発売から数か月経ってるのに未だにsteam内のレビューが1件しかないところを見ると、あながちあり得ない話でもなさそうなのが怖い。
それで実際のゲーム内容はどうなのかと言うと、なんでそんなに売れてないのか疑問になる程度には出来が良い。弾幕STGとは言うが道中の敵の攻撃は自機狙いがほとんどで、また自機のショットも基本的に前方にしか飛ばないため、ジリジリした弾避けよりも画面内をダイナミックに動き回るようなプレイになる。自機や敵弾が速いというわけではないのに、なんだかゲームにスピード感があるのだ。途切れなく飛んでくる敵弾をひたすら左右に切り返しまくるのはシンプルながら気持ち良くてハイになれるぞ。
ボスの攻撃も正統派弾幕という感じで悪くない。プレイヤーにどういう避け方をさせたいかという弾幕のコンセプトがはっきりしていて、漠然としたランダムばら撒きに頼っていないのは好印象。難易度の面で一部の攻撃が妙に難しすぎたり簡単すぎたりもするが、まあゲーム性が壊れるでもなし許容範囲だろう。あとボスにはいくつかの破壊可能なパーツがあるのだが、それが稼ぎ要素ではなく純粋に攻略要素として機能しているのは近年珍しいと思った。つまりパーツを破壊することで敵弾が減り、ボスを倒しやすくなるという攻略法だ。昔はそういうSTGがたくさんあったものだが、いつしかパーツ破壊は楽になるどころかペナルティ対象になってしまったからな……。
とまあ全体的には悪くないのだが、残念なことに細かい部分でB級感のある仕様がチラホラ見えてしまうところはある。とりあえず定番として敵が硬い。ボスや大型の敵はそれほどでもないのだが、道中の小型ザコがなんだかやたらと硬い。おそらく多くのプレイヤーが初プレイで突進ザコを撃ちに行って死ぬだろう。多くのプレイヤーがいるのかという問題は置いといて。また何よりびっくりなのがエクステンドがランダムなところだ。いやシステム上はスコアでエブリエクステンドするはずなのだが、何故かそのスコアに到達しても残機が増えないことがある。それもかなりの頻度で。ラストステージなんかはこれが死活問題で、ちゃんとエクステンドしてくれるかどうかでゲームクリアの成否が決まることも少なくない。下記にリンクした私のクリア動画も、ラスボス戦で運良くエクステンドが回ってくれたからクリアできたようなものだ。
仕様なのかバグなのか、丁寧に作られてるのか雑なのか、なんだかよく分からない不思議なゲームである。しかしそういうところがB級ゲーの魅力とも言えるだろう。おキレイにまとまった優等生なゲームは大手や有名クリエイターに任せておけばいいのだ。でも敵が硬いのは勘弁してください。