RANDMAX

個人的評価 ★★★
オススメ度 ★★★★

 西暦20XX年、インディーゲーム界にローグライトの嵐が吹き荒れた!ありとあらゆるジャンルに死に戻りとランダムに変動するレベルデザインを採り入れるというこの潮流は、アクションだろうがRPGだろうがすべてをローグライト化させていった。ただしSTG界、こと日本のSTGにおいては成熟した文化性ゆえかその流れにだいぶ乗り遅れているところがあって、海外産では「steredenn」などの代表作がある一方で和製STGは永らくの間「コレ!」という作品が出てこないでいた。

 そんな日本のSTG界にようやく出てきた「コレ!」というローグライトSTGがこのランダマックスである。手に入る武器がランダム、ステージがランダム、ボスがランダム、ついでに発動する特殊能力もランダム。タイトルの通りいろいろなものがランダムなSTGだ。まあ実を言うとそこまでランダムでもないんだけど。ステージはあくまで順番がランダムなだけであって、内容つまり敵配置だとかは固定だし、ボスもステージごとに2体いるうちのどちらかが出るといった程度のことでしかない。武器に弾数制限があるので、感覚としては残り弾数を計算しながら戦略的に計画を立てていくリソース管理ゲーの側面が大きい。個人的にはバランス調整なんか投げ捨ててもっとめちゃくちゃな運ゲーに振り切ってて欲しかったかなーと思う。

 だがそのぶんレベルデザインの面で長けているのがこのゲーム。驚くなかれ、なんとこのゲーム、敵を倒すことができる!そんなバカな…この手のSTGはそのへんのザコ敵を倒すのすら苦労するくらいむやみに敵が硬くて必然的に高火力武器一択になるように作らねばならないと国際法で定められているのではないのか!ショットを当てるだけで敵を倒せるなんてあまりにも斬新で挑戦的なゲームじゃないか。……と皮肉を言いたくなるくらいマジでこの手のSTGはどれもこれも敵が硬すぎるゲームばかりなんだよ。上で挙げたsteredennですら高難易度になると敵を硬くして難しくするという雑な難易度の上げ方をしてくる。ローグライトでありながら高難易度でもちゃんと普通のSTGとして気持ちよく敵を倒せるゲームがようやく出てきたかといった感じ。敵を倒せばアイテムがジャラジャラ出てくるし、一撃で破壊できる地上物も大量に設置してあるなど、システム的には変化球であってもSTGの基本的な部分の楽しさを追及することも決して忘れないその姿勢はさすがである。

 まあそのせいで画面がごちゃごちゃし過ぎてて敵弾が見づらいことが多々あるというマイナス面もあるのだが。なんかわけが分からないうちに気が付いたらいつの間にか死んでるという、手触りや遊びやすさに定評のあるASTRO PORTにあるまじき視認性の悪さだ。敵弾はおろかそのへんフラフラしてる空中敵に体当たりして死ぬことすらある。ゲームの仕様上、画面上部に張り付く必要があるということもそれに拍車をかけていて、ハイスコアを目指そうとすると序盤の捨てゲー率がすさまじいことになるぞ。

 ランダム要素も相まってハイスコア狙いとかのガチプレイにはあまり向かないと思われるが、カジュアルにざっくり遊ぶぶんには非常に良く出来ていて楽しめるゲームだ。「ASTRO PORTにハズレ無し」である。

[動画]

[steam] ランダマックス maximumモード 1ダメージクリア

[リンク]

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