かつてのゲーム業界には3Dに対する憧れのようなものがあった。拡大縮小や多重スクロールを巧みに用い、限られた技術とハードスペックの中でいかに3Dを表現するかという課題に誰もが心血を注いでいた。3D的なゲームを作れることが優れたゲームメーカーであることの証明でもあったのだ。そしてその競争はこのレイフォースをもってひとまずの決着を見たと言っていいだろう。全てが2Dドットで描かれていながら、まるで三次元的な世界がそこにあるかのような立体表現には誰もが驚愕し、ある者は爪を噛んだに違いない。奇麗な流曲線を描いて飛んでいくロックオンレーザーは雷電IIの紫レーザーに並んで「ゲームクリエイターが挑戦したくなるSTG3大プログラム」のひとつである(俺調べ)。
演出が優れているのはもちろんのことだが、ゲーム部分のデザインもよく練られていてタイトーシューらしからぬ丁寧さを感じることができるのはちょっと驚きだ。いやほら、タイトーシューってさ…技術やセンスは凄いけどゲームとしてはけっこう雑な作りしてるよね、ってところ…あるじゃん?しかしレイフォースはそこが違う。3面序盤の画面下から出てくる敵編隊とか、一見すべてロックするのは無理そうに見えて、実は最大限効率的に動けばギリギリ全ロックが間に合う絶妙な配置・移動速度になってたりするのだ。そういった細かい調整が意図的にデザインされたものだとしたらこれもまた職人の所業である。プレイしていない人にはなんのことやら分からんと思うが、要するにこのゲームは見た目ばかり褒められるけど中身もちゃんと作られてるからそこも褒めてあげようね、ってことだ。
自機が移動したあとに若干「中央に引き戻される」という独特の挙動があってそれがストレスになることもあるものの、STGとしての完成度は非常に高い。難易度的にも、あまりSTGが上手くないプレイヤーでも連射装置があればなんとかワンコインクリアできる程度の丁度いいラインにあると思う。簡単すぎず、難しすぎず。レイストームと違ってな!
[SS] レイヤーセクション(レイフォース) 連射無し たぶん低ランクプレイ