元は同作者によって制作された「Reflection」というフリーゲームで、これは敵弾を反射して攻撃できるシステムが話題となり好評を博したゲームであった。本作はその続編…と言うよりはリメイクかリブートと言ったほうが近いだろう。またストーリーや世界設定の面で神威とかなり密接に繋がっており、そういった意味では神威の続編であるとも言える（ゲーム内の時系列ではReflexが前日譚）。敵弾を反射して利用するSTGというとアーケード作品のギガウイングシリーズがもっとも有名だろうが、前述したReflectionはそれより以前に製作されたゲームであり、歴史的に見るならば反射システムの本家はこちらということになる。ここはテストに出るからちゃんと覚えておこう。
しかし残念ながらゲーム性においては神威やギガには一歩届かないといったところ。レベルデザインがどうもシステムと噛み合ってない気がする。このゲームをプレイしていて一番楽しい瞬間はおそらく、大量の敵弾を反射して画面上のザコ敵を一掃する時だろう。ホーミング弾の反射なんかはギガには無い性質を持っていて、反射した後もホーミング性能が持続して敵を追尾してくれる。反射したホーミングレーザーが次々に敵に襲い掛かり、スコア倍率がモリモリ上がっていくのを見るのは最高に気持ち良く楽しい時間である。……が、実際のところそういったシーンはゲーム中には数えるほどしか存在しない。だいたいのザコ敵は無駄弾・魅せ弾を撃たず、地味な単発弾で的確にプレイヤーを殺しにかかってくる。もしくはそもそも反射できない弾も多いため、バリアは反撃よりも防御に使うようなプレイになる。
ボス戦のほうもちょっとした問題がある。ボスの攻撃パターンのうち、ボスが画面外や画面奥に移動してしまってプレイヤーが攻撃できなくなる時間がとても多いのだ。気持ちは分かる。これは意地悪ではなく、プレイヤーを飽きさせないための、むしろ作者の優しさと気遣いだ。あの手この手で楽しませようと工夫してくれているのはスゲーよく分かる。が、やはり噛み合ってない。それこそ神威のように画面奥にいるボスに攻撃できる手段があったらよかったのに。STGのようなノーウェイトで状況が進行し続けるゲームで、それもよりによって見せ場であるボス戦で何もできずに待たされる時間が発生するのは好ましくないことだろう。ボスの攻撃パターンそのものはとても凝っていて良く出来ているだけに実にもったいない。
一方このゲームで明確に優れている点は演出だ。これには万人が納得することだろう。前作の神威よりも、いやそれどころかあらゆるSTGの中でもトップクラスと言っていいレベルの激アツ演出が全編にわたって繰り広げられる。２ボスの登場シーンは死ぬほどカッコイイし、３面の艦隊戦はBGMも相まってめちゃくちゃ燃える。っていうか難易度的にも３面がえらい難しく設定されてるし、ラスボスを除けば作者的にはあそこがひとつのクライマックスなのかもしれない。ラスボス（真ボス）戦に至ってはステージそのものが丸ごとド派手な演出のようなものだ。３つ巴の戦いを描いたSTGは数多くあれど、実際の戦闘中に３つの勢力が入り乱れた中で進行するゲームというのはそうは思い浮かばない。回避不能の全画面レーザーなんかはもう、ついに行くところまで行ったなって感じだ。全画面レーザーは一応「ドギューン！」の前例があるが、こっちのレーザーは本当に画面すべてがレーザーだけで埋まる究極兵器である。このゲームのシステムだからこそ成立する攻撃だな。
神威よりも尖ったゲームゆえに好き嫌いは分かれるだろうが、ハマる人は神威よりもどっぷりハマれることだろう。
[steam] リフレクス REFLEX hard no damage clear