ゲーム制作っちゅうのはまっことえらい難しいもんで、創意工夫を凝らして手間暇かけて作り込んだとしても、それが必ずしも良い方向に向かうとは限らないんだよな。工夫を凝らした結果かえって楽しさが失われてしまった、時間をかけて作り込むごとにどんどんダメなゲームになっていく……そういったことはまま起きるものだ。あえて「何もしない」ことが正解になるということもある。これもそんなゲームのひとつだ。
本作の核心であり攻略の基本となっているのは「敵弾を吸収する」というシステム。これはほんとに基本の基本。何しろ初期状態の自機には武器というモノが搭載されておらず、それはすなわちショットを撃つことすらできないのだ。なのでプレイヤーがまず最初にするべきは敵弾を吸収することで攻撃手段を得ることである。それを知らないと必死にボタンを連打しながら「ショットが出ねェ!」と騒ぐことになる(なった)。
このシステムで面白いのは敵弾を吸収して使えるようになるショットはその敵弾の性質に依存するということだ。ストレート系の敵弾を吸収すれば直線ショットが使えるようになるし、レーザー系の攻撃を吸収すれば自機のショットはレーザーになる。吸収というよりはコピー能力に近い感じだ。また自機にはエネルギー容量があり、これも敵弾の吸収によってチャージされるのだがショットを撃つことで消費されるエネルギーは武器ごとに異なる。さらには吸収のしすぎてエネルギー限界値を超過してしまうとオーバーヒートが発生し、自機が一定時間無防備な状態になってしまう。なんでもかんでも吸いまくって撃ちまくればいいというわけではなく、どの敵弾を吸収しどの武器を使うべきか、武器のエネルギー消費と敵弾の吸収量を天秤にかけて戦略的に立ち回ることが要求される。
……わかる!作者が何をしたいのか、プレイヤーに何をさせたいのかめっちゃわかる!わかるんだけど、まあ正直あんまり楽しくないんだなこれが!こういう敵弾を反射したり吸収したりするゲームってのは「カウンター」が一番楽しいところなんじゃないのか。敵の攻撃が激しくなればなるほど、それが逆にプレイヤーの有利にもなりえる、追い詰められるストレスからの一転攻勢こそがプレイしてて気持ちのいい瞬間なんじゃないのか。それをオーバーヒートしないように気を付けながら、結局は敵弾を避けるプレイをしなくちゃならんというのはなんとも本末転倒に思える。最高難易度なんてただでさえ敵弾が多いのにオーバーヒートの判定に補正までかかってて、ちょっと敵弾に触れただけであっという間にエネルギーが超過する。プレイ中ずっとアーマードコアばりの繊細なエネルギー管理を要求されてカウンターの爽快感などまったく無い。このゲームは吸収バリアを展開するのに必要なリソース等は存在しないので常時バリアを張った状態でいられる。オーバーヒートがないとゲームとしての整合性が取れないのはわかる!わかるけども…そんな変なことしなくても普通にバリアのほうに使用制限をつけるほうがよくない?
作者は頑張って良いゲームにしようとしたんだろう。敵弾吸収やエネルギー管理以外にも、ほかのSTGでは見ないような珍しいシステムが多数採用されていて、かなり試行錯誤して作り込んだであろうことがうかがえる。しかしその頑張りがゲームの楽しさに繋がらなかった。もっと普通でよかった。幸いなことに難易度の低いモードではシステム的な制限が緩く、好きなように敵弾を吸収しまくってショットを撃ちまくるプレイがそこそこ通用する。真剣にプレイして上の難易度を目指し始めるとどんどん窮屈なゲームになっていくので、低難易度でカジュアルに遊ぶのがいいだろう。…でも最高難易度じゃないと真エンド見れないんだよなァ~!う~ん……。
[steam] RETURN ACE world rulerモード バグり散らかしてクリア