RISK SYSTEM

個人的評価 ★★★★
オススメ度 ★★★

 リリース前にこのゲームの存在を知った時、特に興味を惹かれることは無かった。むしろ第一印象は悪いほうだったと言える。やたらビカビカして眩しいエフェクトに慣性のキツい自機移動…「あーハイハイ、そういうゲームね」そんな感じだった。自機移動に慣性がかかる仕様は何故か海外産のSTGに多く、動かしにくくてストレス要因になるばかりではっきり言って私は好きじゃない。だからこのゲームも自分の興味の外にある凡百の洋シューのひとつとしてスルーを決め込んだのだ。

 喝!喝である!なんたる愚見!なんたる浅はかさ!自分の視野でしか物を見れず、古い価値観に固執するあまりこのような良ゲーをみすみす見逃すとは!まさに老害……!老害の所業に他ならぬ……!

 ……というわけで実際にプレイしてみたところ、その内容は私の想像を越えたものだった。確かに慣性移動がとても扱いづらく、なかなか思い通りに動いてくれない自機にヤキモキするゲームである。しかしそれこそが肝なのだ。システムや敵の攻撃など基本的なデザインは全て「自機が動かしにくいこと」を前提に作られたものであり、そんな自機をいかにコントロールするかという部分がちゃんと面白く、ゲーム性として成立しているのである。最初はフラフラおぼつかない操作がプレイを重ねるうちに次第に制御できるようになり、ローリングでザコ敵を薙ぎ払い、ボスの体力をガリガリ削れるようになっていく。それが実に気持ち良く、実に楽しい。スコアシステムも見事なもので、稼ぐためには常に動き続ける必要があり、ここでもやはり自機の移動制御がカギを握る設計になっている。ストレス要素すら全ては開発者の計算のうちなのだ。なんとハイセンスなゲームだろうか。

 とは言え人を選ぶ内容であることは否定できない。自己弁護するわけではないが、このゲームの面白さが理解されなくても仕方ないと思う面はある。またsteamのSTGとしては価格帯が高めであるにも関わらず、難易度選択もオンラインランキングも無いためボリューム不足を感じてしまう。せめて日本語化されたらもっと人気が出るかもしれないな。PVで外人さんが頑張って日本語でナレーションしてたり、エンディングテーマに初音ミクを起用するなど、かなり日本を意識して作られてるのに肝心の日本勢からあまり知られてないのが悲しいところだ。

[動画]

[steam] RISK SYSTEM 真ボス撃破 ※フラッシュ注意
何故かゲーム中で流れないOPムービー

[リンク]

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