ローリングガンナー

個人的評価 ★★★
オススメ度 ★★★

 CAVEのアーケード事業撤退後、それでもなおSTGを作りたいと望んで止まない熱き斗魂(とうこん)を持った元社員が独立して作ったという、「精神的なケイブシュー」とも言えるゲーム。もっとも、企業プロダクトは独りで作るもんじゃないし開発者がCAVE時代にどの作品にどの程度関わっていたのかはよく知らない。しかし全編に渡って「解ってる人」が作っているゲームだなと感じることができる、納得のクオリティである。

 背景や敵などのグラフィックの多くがコントラスト強めな色使いをしているにも関わらず、敵弾の視認性は非常に高い。自機の当たり判定の分かりやすさも含めてプレイしていて何故死んだのか分からない、何に当たったのか分からないというような場面は皆無だと言っていい。道中の敵の出現パターンやボスの弾幕は志向のはっきりしたコンセプト型の攻撃が多い。雑に上下均等に敵が設置されてたりとか無作為なランダムばら撒きの攻撃は極めて少なく、何故そうなっているのか何故そのように作ったのか、全てのデザインに作者の明確な意図が存在することが見て取れる。

 実に硬派なゲームである。キャラ要素が無いとかではなく、ゲームのデザイン、プレイフィールがとてつもなく硬派。でも硬派すぎるんじゃあ!確かにとても完成度の高いゲームではあるのだが、あまりにもキレイにカッチリ丁寧に作られすぎていてなんだか不自由でストレスの溜まるゲームになってしまっているところがある。

 本作の攻略の要となるのはタイトルにもある通り、ガンナーと呼ばれる小型のオプションだ。自機の360度全方位にショットを撃つことができるコレを使って四方八方から襲い来る敵を撃ち落とすわけだが…それが出来れば苦労しねえ!ただでさえ敵弾を避けるのに忙しいのにガンナーの微妙な角度調整を同時に行うのは普通に難しく、まずこのコントロールを習得するためにひとつの壁がある。またもうひとつのメインシステムであるパワーアップ(ハイパー)も同様に一筋縄ではいかない性能をしている。これは使うと一定時間自機が強化されるという今やお馴染みのシステムではあるのだが、実際のところ「使うと自機が強化される」というより「使うと自機が普通に戦えるようになる」と表現するほうが正しい気がする。ノーマル状態の自機が弱すぎるんじゃあ!

 おそらく作者はゲームデザイナーとしてとても優れた能力を持っているのだろう。ガンナーやパワーアップのシステムを上手く利用して攻略を進めていくゲームにしたかったのだろう。だがそうしたことが裏目に出てしまった。撃ちまくって避けまくって気分爽快!というイマドキのゲームではない。システムを使いこなせるようになってようやくスタートライン、楽しく遊べるようになるためにはいくつかの壁を越えなければならないゲームである。硬派だぜ!まあ今からやるならオリジナルより追加要素のオーバーパワーモードから始めることをオススメする。

[動画]

[PS4] ROLLING GUNNER ローリングガンナー expert-TLB clear

[リンク]

公式サイト

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