ヒョコヒョコ動くキャラクターやポペポペ言うBGMがユルい雰囲気を醸し出すローグライト系ツインスティックシューター。ユルいのは雰囲気だけではない。ローグライトというジャンル自体、ローグ系の中ではライト(気軽)に遊べるものが多い傾向にあるが、その中でも本作はさらにライトに寄った調整となっている。
とにかくこのゲーム、「可逆性」が高いのだ。この手のゲームの多くは階層によって進行度が区切られており、先に進めば前の階層に戻ることはできないというのが共通化されたデザインである。しかし本作にはそもそも階層というものが無い。ゲームスタートからラスボス戦に至るまで全て1つのマップ上でゲームが進行し、またどこに居ようが一度行った場所には瞬時にワープして戻ることができる。地面に落ちているアイテムが消えたりもしないので、ゲーム序盤に出た回復アイテムを拾わずにラスボス直前まで温存しておいたり、武器を交換した後にしばらく使って気に入らなかったら戻ってまた元の武器に変えるというような立ち回りも可能だ。何をするにしてもやり直しが効くので、選択に悩む必要が(あまり)無いのだ。
そのぶんローグ的な楽しさはほとんど無いのでその方面のガチ勢にはだいぶ物足りない内容かと思われる。武器の弾数だとか消費アイテムの類が無く、リソース配分を考えるようなゲーム性はかなり薄い。さらに言えばランダム要素も薄く、レアドロップとかユニークアイテムは無いし、ゲーム中に登場する各種施設は出現する場所が変わるだけで1回のプレイ内で必ず決まった数が出るようになっている。
ボリュームやバリエーションの面で少々寂しいところはあるもののゲームとしての出来が悪いわけではないので、ローグなんちゃらとかツインうんたらってなんだか難しそう!という人への入門用としてはアリだと思う。
[steam] RUSH ROVER ちょっとした字幕解説プレイ