戦国エース

個人的評価 ★★★
オススメ度 ★★★★

 ビデオシステムでソニックウィングスを手がけたスタッフらが独立し、彩京ブランド第一弾として世に送り出したのがこのゲームだ。以降彩京はガンバードそしてストライカーズ1945と名立たるヒット作を連発し、90年代中期のゲーセンのSTGコーナーにおける「顔」となった。まさにサイキョー伝説の始まりである。

 使うボタンはショットとボムの2ボタン。パワーアップは最大時のみ弾数制限があり、一定回数ショットを撃つとパワーダウンしてMAXひとつ前のレベルに戻ってしまう。序盤の数ステージはランダムで順番が入れ替わり、それに伴ってスコアの稼ぎやすさなども変わるため「戦国エースの上級プレイヤーは1面が表示された瞬間に捨てゲーする」としばしば笑い話としてネタにされる。とどのつまりはソニックウィングスとほぼ同じである。自機を多数の機体の中から選択できて、ステージとステージの合間にキャラクターのセリフ演出が入る一連の流れも同じ。

 大きく違うのはやはり和風の世界観だろうか。自機は戦闘機だし機械仕掛けの敵も出てはくるが、妖怪をモチーフにしたおどろおどろしい敵や瓦屋根の建造物を背景に戦うシチュエーションはこのゲームならではの要素だ。当時はまだSTGと言えばミリタリーかスペースオペラかどっちか選べみたいなイメージが強くあったため、本作の和風のビジュアルはとても新鮮で多くのユーザーの目を惹きつけていた。ピストル大名の話はするな。

 難易度もお手頃で遊びやすい。いや敵の攻撃自体は激しくて素避けはだいぶキツいのだが、安全地帯や速攻パターンなど難所を簡単に突破できる手段が数多くあるため、それらを知ってさえいれば特に高度なSTG能力は必要ない。このあたりもソニックウィングス由来の作りと言えるだろうか。彩京の名を冠しているとは言え依然としてビデオシステムの色が濃く出ているゲームだ。彩京として独自のスタイルを確立するのはもう少し後の話である。実のところ純粋にゲーム性の面だけに目を向けると抜きん出て何か良く出来ているわけでもない、わりと平凡なゲームだと思う。

[動画]

[steam] 戦国エース こより 2周ALL

[リンク]

彩京シューティングライブラリー

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