ストライカーズ1945で世界的な大ヒットを飛ばした彩京が満を持してリリースしたものの思ったより売れなくてなんだか微妙な空気になってしまった戦国シリーズ第二弾!いや個人的には前作と同じくらいかそれ以上に良いゲームだと思うんだけどね。
シンプルで親しみやすいゲームシステムは前作そのままに、ビジュアル面において大きな躍進を遂げた本作。そもそも縦シューから横シューになってるのだから見た目がまったく変わるのは当たり前なんだが、それ以上にドットの表現がケタ違いに進化している。基板性能の差なのか、またはドッターが他とは違うのか、この後に出た1945IIやガンバード2よりもキレイなんじゃないかってくらいの美しい描き込みだ。それにセンスも良い。森ステージのエビみたいなボスとか下ルートのラスボスなんかは、こう言っちゃ何だが彩京らしくないカッコ良さがあって初めて見た時は驚いたものだ。
本作からキャラクターデザイナーが変わり、ホットギミックシリーズでお馴染みの司淳氏になったことも重要なところだろう。妖怪やからくりメカが跋扈する世界に影の濃い肉厚なキャラクター達はとてもよく合う。プレイヤー側だけでなく敵キャラの顔グラフィックも出るようになり、ストーリー部分の楽しみも増した。また今でこそお馴染みのキャラデザではあるが発売されたのはホットギミックよりこちらのほうが先だ。本作で縁ができたことでホットギミックでの同氏の起用に繋がったとするならば、本作のキャラクター達は彩京にとって大きな意味を持つ存在であったと言える。
ちなみに一応補足しておくと「ホットギミック」というのは彩京が制作したエッチな麻雀ゲームである。当時ゲームセンターに居た人ならば誰でも知ってるくらいの大ヒットタイトルなので、もしかしたら世間的にはSTGよりもそっちのほうが有名かもしれない。
さてそんな戦国ブレードだが、もうひとつ無視できない大きな特徴がある。難易度だ。前作の優しさはどこへ消えたのか、本作は彩京シューの中でもトップクラスにクリアが困難なゲームとなっている。見てから反応不可能なガチガチのパターンゲーなのは当然のこと、敵の早回しテーブルやランク変動による攻撃の変化が何故か他の彩京シューよりも妙に細かく作り込まれていて、パターン化しようにもそのパターンを作ること自体がもう難しい。っていうかパターン化した上でなおどうにもならなくてボムるしかない場面もけっこうある。よく「彩京シューは後期になって難易度が上がった」みたいなことを言ってる奴がいるが、いや戦ブレの時点で既に狂ってただろ!と私は言いたい。
まあそれだけこのゲームのプレイヤーが少なかったってことなんだろう。グラフィックが良いとかキャラクターがどうとか言ってもそれだけで戦えるほど当時のSTG業界は甘くはなかった。あの頃すでに雷電クローンは過去のものとなり、代わって人々が求めていたのは今までにない新しいゲームの形であった。時代が悪いよ、時代が。
[steam] 戦国ブレード (TENGAI) こより 下ルートノーミス1周