戦いの場をPSPに移し、家庭用オリジナルSTGとして新たな一歩を踏み出した戦国シリーズ第三弾。そして終わった第三弾。まあ開発は外注っぽいし、彩京としてもワンチャン当たれば儲けモン程度の扱いだったのかもしれない。面白さがどうとか以前に、カネも時間もかかってないであろう安っぽさが素人目で見ても分かるくらいそこらじゅうに散見される。2005年という時代性を考慮してもテクスチャはジャギジャギカクカクでだいぶ粗っぽいし、ステージクリア時のリザルト画面なんかパワーポイントで作ったみたいなセンスだ。
またこれはゲームに罪は無いのだろうが、描画が30fpsというのも相当ツラい。ましてやこれは(一応)彩京シュー。目にも止まらぬ超スピードで敵弾がぶっ飛んでくるこのゲームを30fpsの画面で戦い抜くのは…ツラい!無理!ハード性能の都合上どうにもならないという事情は理解するが…それでも無理なもんは無理だ。これに関しては弾消し要素を増やして敵弾をガチ避けしなくていい方向に調整にするという対応を取ったネオジオヒーローズのほうが一枚上手だな。
しかしキャラクターデザインに関しては相変わらず高いクオリティを保っている。旧キャラはよりカッコ良く、よりセクシーに描かれているし、新キャラたちもみんないい味出してる。シリーズのファンというわけではなくとも前作のキャラクター達の「その後」を知ることができるのは嬉しいし、因縁の敵と再戦する展開はなんだかんだでやはり盛り上がるものだ。実際キャラ人気はシリーズ随一らしく、ゲーム発売後にフィギュアなどの関連商品が数多くリリースされ、どれも好評だった模様。
そして忘れちゃいけない本作で新たに追加された目玉システム「キャノンショット」。全てのキャラはキャノンと呼ばれる強力な特殊攻撃を持っており、これで敵を倒すと敵弾が消えてスコアアイテムに変化し、さらに素点に倍率がかかるというものだ。いろいろと問題の多い本作だが、このキャノンを駆使することによるスコア稼ぎはシリーズでもトップクラスに熱いと言える。このシステムのミソは「トドメを刺すキャノンは1発目でなければならない」ということだ。つまり通常ショットで相手の体力をギリギリまで削り、トドメの時だけキャノンを使うのである。ボスなどはキャノンを連発すれば割とすぐに倒すことができるのだが、スコアを稼ぐためにはあえて弱い通常ショットのみで戦い、さらにその間敵の攻撃を避け続けながら倒してしまわない程度に適度に残り体力を調整しなければならないのだ。この安全策を取るかスコアを取るかの駆け引き、リスクとリターンの戦略性はとても上手く機能していると思う。
結果としては振るわなかったものの、全てが全てどうしようもないほどダメなゲームというわけではない。もっとカネと時間をかけてじっくり作り込んでいたら、もしPSPではなく据え置き機やアーケードで出ていたら…と、惜しいところも多いゲームだ。かつてのよしみでカプコンゲーにこよりとか出演しないかな。