実質「式神の城４」。式神の代わりに召喚魔法。敵弾に近づくとスコアに倍率がかかり、マックス８倍で通常ショットが強化。各キャラクターの性能もだいたい式神にいたキャラと同じ。ボス戦で時間切れになると鬼ごっこが始まるところまでそのまんま「式神」である。ただし会話シーンの寒さは式神以上。いやそれはどうでもいいか。
公式的にも式神が帰ってきたような物言いだったので製作スタッフも同じかと思ったのだが、実のところそのへんはかなり怪しいと思った。例えば式神の城に登場する「光太郎」というキャラは、ゲーム序盤では最強だが先に進むにつれてどんどんキツくなり、最終的に他のキャラより弱くなるというコンセプトのキャラで、それは初代から外注である式神３まで一貫して守られてきたデザインだった。ところが本作で光太郎と同じ能力を持つ「ソナイ」は、その調整において圧倒的に光太郎より強い。ゲーム開始からラスボスに至るまで、ずっとショットボタン押しっぱなしで何も問題なくクリアまで行けてしまう。序盤最強だが終盤も最強、ずっと最強の最強キャラである。ダメだろそれは！かつての式神スタッフならばこんな調整はしないはずだ。たぶん。
他にもボスの攻撃が放射状に広がる弾幕ばかりで個性が無いなど、ダメなところを挙げればキリがない。ありがとう30周年！などと誇らしげにアピールしているが、30年もゲーム作っててこのレベルなのかとかえって悲しくなるばかりだ。ゲーム部分は元がスマホゲーってことで多少は仕方ないところもあるとしても、せめてキャラクターボイスぐらいはあって然るべきだろう。HOMURAですらボム使った時に喋るんだぞ。
まあ良くなったところもある。スコア稼ぎに関してはなかなか面白いと思った。一定時間スコア倍率が通常のさらに倍になるアイテムが各ステージ道中に２つボス戦に１つの計３つ隠されており、それをどのタイミングで取るかのパターン構築がけっこうアツい。ショットを撃ち込むとスコアアイテムが無尽蔵に湧き出る宝箱の存在も、被弾のリスクと稼ぎのリターンが上手く機能していて良いアクセントになっている。そうでなくてもコインのジャラジャラ感がめちゃくちゃ気持ちいいのでつい稼ぎたくなってしまうものだ。
爽快感はあるし難易度も低いのでライトユーザーがのんびり遊ぶのには良いかもしれない。実際このゲーム、けっこう売れたらしい。でもそうなるとやっぱりボイスは必要だよなあ！？