多種多様な機体の中からプレイヤーは自機となる機体を自由に選ぶことができ、また各機体にはパイロットとしてそれぞれ個別にキャラクターが設定されていて、ステージの幕間やエンディングなどではそれらキャラクターによる会話シーンが挿入される。数多のSTGに採用されもはや一種のテンプレートになっているありきたりなデザインだが、実はこれら機体選択とキャラクターの会話演出を最初にSTGに採り入れたのは何を隠そうこのソニックウィングスシリーズであると言われている。今このゲームがオーソドックスな縦シューに見えるのであれば、それほどまでにSTG界に普遍的な影響を与えたシリーズであるということだ。そしてこれはその2作目にあたるゲームである。
ソニックウィングスシリーズは現在4+1作(STGではないのがひとつ)出ているのだが、その中でもっとも難易度が高くヤバイゲームとされているのがこの「2」だ。一周目に関してはそれほどでもない。他のシリーズと比べて多少は難しいところもあるだろうが、ボムでどうにでもなる範囲だしアーケードのSTGとしてはむしろ遊びやすい部類だ。問題となるのは二周目。ヤバイ。なんというかもう…ヤバイ。見てから反応できないレベルの高速弾を敵が絶え間なく撃ちまくってくる上に、敵を倒すとこれまたすさまじい速さの撃ち返し弾がかっ飛んでくる。しかもその撃ち返しが4WAYだったり自機の位置を微妙に外して飛んできたりするので、チョン避けでひきつけて切り返しなどというセオリーも通用しない。
ならばどうするか。無視だ!道中は一切ショットを撃たず、ひたすら逃げ回り敵の攻撃をやり過ごすのだ。みみっちいプレイになろうとも命を守るためにはそうするしかない。そしてもちろんボスのほうも二周目では圧倒的に強化されている。一周目ですらしょっちゅう事故るのにさらに強くなったボスとまともに戦えるわけがない。ならばどうするか。瞬殺だ!開幕ボムと密着ショット30連射で殺られる前に殺るのだ。とにかくまともにSTGとして付き合ってはいけない、それがソニックウィングス2の二周目である。
もっとも、このようなゲームバランスになってしまったのには事情があるらしい。どうやら開発途中で大きな仕様変更があり、その対応に追われてバランス調整する時間が満足にとれないままリリースせざるを得なくなってしまった、ということのようだ。また狂ってるのはあくまで二周目の話だ。そこはさすがに職人の意地か、一周目はとても遊びやすく万人にオススメできる良作に仕上がっているので、二周目のことは忘れてキャラクターの寸劇とバラエティ豊かなステージの数々をカジュアルに楽しむのがいいだろう。……ぶっちゃけ今から始めるなら3がいいと思うけどね。
[アケアカ] ソニックウィングス2 F-14(シンシア&エレン) 2周ALL