TOUCH FORCE

個人的評価 ★★★
オススメ度 ★★

 世はモバイル時代。Android、iOS端末をメインとしたゲーム市場はもはや企業個人問わず避けて通れないほどの巨大さに成長した。それは比較的コアなゲーマーが多いとされるSTGですらも例外ではなく、今やsteamのインディーズやPC用のフリーゲームに匹敵するほどの大量の新作STGが絶え間なく携帯端末でリリースされ続けている。

 ただ自分はその手のスマホシューにはだいたい共通する不満があって……。リリースされるSTGがどれもこれも「STGの基本に忠実すぎ」てまったく新鮮さがないのだ。せっかくのモバイル新時代がやってきたというのに、ゲーム内容が従来のテンプレートをそのままに「自機の移動をタッチ操作にしただけ」のいつも通りのSTGばかりなのである。極端なことを言えばスマホである必要がまったくないんだよな。中には本当にPCや家庭用機から何のすり合わせも調整もしないまま、操作方法だけ変えて移植したせいでゲーム性が破綻してしまっているものまである。20年前に弾幕姉妹ができてたことがなんで今できないんだ。まあ基本無料のガチャゲーなんかは一応新しいことに挑戦していると言えるだろうか。

 前置きが長くなったが、本作は小粒ながらそんな携帯端末におけるSTGの在り方に一石を投じている数少ないゲームのひとつなんじゃないかと思う。本作では自機が移動するとそれを追うような形で自機の後ろに分身がついてくるという、ツインビーのアレと同じようなシステムなのだが、なんとこっちは分身にもダメージ判定があってヘタに動きまわると分身が被弾してミス扱いとなってしまう。はっきり言ってまともに弾避けなどできたものではない。だがそこで活きてくるのがもうひとつの移動手段であるワープシステムである。これは画面上の好きなところをタップすることで瞬時にその場に自機がワープするというもので、その際には分身も無敵状態となり自機の場所に収束するようになっている。この通常移動とワープの使い分けがこのゲームの要であり、タッチ操作だからこその独特のプレイフィールを生み出している。ハードの制約で複数のボタンを扱えないぶん、自機の「移動」にゲームの焦点を当てるというなかなか面白い試みだ。

 純粋にSTGとして見るとぶっちゃけプレイしててすごく楽しいってわけじゃないし、敵のレーザー攻撃が理不尽だったりワープにリスクが無さすぎだったり、むしろガバガバな部分が目立つゲームではある。しかしスマホゲーとしてタッチ操作に向き合おうとする姿勢を私は評価したいし、こういったSTGたちが家庭用とは違った独自の進化を遂げていくことを期待したい。

[動画]

[steam] TOUCH FORCE 1cc

[リンク]

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