はるか古の時代より、STG界には「ドラゴンもの」というジャンルが存在するとかしないとか。本作もまたその血統を継ぐゲームである(適当)。元はスマホゲー?らしいがそれを感じさせないほどsteamにあるオリジナルSTGの中でも高いクオリティを誇るゲームだと思う。とても雑な誉め方をすれば「良いゲーム」だ。
システム的にはごく標準的なもので際立った点はない。攻撃は通常ショットとゲージ消費で使える強力なバースト系ショットの2つだけでボムは無し。武器アイテムを取ることで4種類のショットを切り替えることができ、武器によってバースト技の性能も変わる。スコア稼ぎにおいても、このバーストで敵を倒せば倒すほど倍率が増えていくというだけのとても分かりやすいものである。しかしこれが単純にしてなかなか奥が深い。稼ぐためにはザコがたくさん出る場面でゲージを使えばいいわけだが、そうすると今度は大型機が出た時に使うゲージが無くなって死ぬ。高難易度モードではさらに悩ましいことに、敵を倒すと撃ち返しが発生するようになるのだがゲージの増加条件はよりによって「ショットを撃つこと」である。つまりショットを撃ってゲージを回収したいがショットを撃つと敵弾がいっぱい飛んできて死ぬ、というジレンマに陥ることになる。「単純だが奥が深い」というこの要素は重要だな。私がシステマティックに遊ぶゲームがあんまり好きじゃないってのもあるけど。
グラフィックは綺麗で演出もカッコイイ、なのにどことなくウケが悪い気がするのは…やはり難易度のせいだろうか。初見殺しが非常に多いうえにボムがないのでゴリ押しによる攻略ができず、とにかく死んで体で覚えろというのがこのゲームの方向性である。3ボス4ボスなんかは低速弾をジリジリ避けてるところに高速弾がかっ飛んできて撃ち抜かれる場面が多くてこれが割とブチ切れ案件。5面もコンティニュー地点は道中とヴリトラ戦で別判定にして欲しかった……。その良し悪しは別としてこういうゲームデザインが今の時代に合っていないのだろうな。ましてや家庭用となると従来のアーケードスタイルはもはや厳しいのではないだろうか。実のところアケシューターと家シューターってあんまり層がかぶってなくて、それぞれSTGに対する考え方や求めてるものが全然違うと思うんだよね。このへん語ってたら日が暮れるので詳しくは書かないが。
ゲーム内のオマージュはグラディウスやR-TYPEが多めだが、ゲーム性の面ではタイトーとかグレフが近いように思う。それらのゲームが好きな人、オールドタイプの正統派横シューが好きな人ならコレも気に入って貰えるんじゃないかな。
[steam] VRITRA expert type-B 真ボス撃破