DLsiteをボケーっと眺めてたら懐かしすぎるスクリーンショットが見えたので思わず飛びついてしまった。私が初めてこのゲームの存在を知ったのは今から20余年も前のことだが、初出はそこからさらに遡ること数年、1993年に製作されたゲームらしい。ふっる!リアルタイムでプレイした人は果たしてどれだけいるのだろうか。当時の評価が気になるところだ。
本作は言ってしまえば「ライサンダータイプ」である。ライ要素多めでタイプ要素はちょっと薄いか。一定距離を高速移動できるブーストシステムはまさに本家のそれ。本当に高速で動けるだけで無敵とかは一切ないので迂闊に使うと死ぬ。他にバルカン+ミサイルを標準装備とし、アイテムを取得することで3種類の強力なゲージ消費技が使えるようになる。ステージは全部で5つとちょっと少なめだが、使い回しが少なく、ステージごとに敵の種類やギミックがガラリと変わるので手抜き感は無い。むしろ当時の同人ゲームの中では驚愕のクオリティだったのではないかと思う。全体的にオマージュ色が濃い中、逆に「パルスター」によく似たステージが出てくるところなんかは今見ると興味深いな。あっちのほうが後発なのに。
システムや演出だけでなく、細かいゲームバランスもだいぶ本家寄り。つまり…「渋い」。アイテムも残機も、銀行の融資担当のごとくえらい出し渋ってくる。武器アイテムは序盤こそ景気よく出るものの、進むにしたがって明らかに出現数が減っていき、最終的にはゼロになる。マジだぞ。最後にアイテムが出るのは4面序盤で5面にアイテムは一切出ない。それはつまりラスボスに武器を持っていくためには4面から一度のミスも許されないということだ。ラスボスはパターン化できない上にえらい耐久力が高いので何としても武器を持っていきたいのだが、そんなことはさせてたまるかという製作者の強い意志を感じる。さらに残機においては最初からまったく増えない。スコアによるエクステンドも1UPアイテムも存在せず、最初に持ってる残機だけで最後まで戦い抜かなければならないのだ。まあ戻り復活だから残機があっても結局キツイんだが。
この「ついてこられる奴だけついてくればいい」とでも言うような、プレイヤーを突き放したデザインがいかにも昔のSTGって感じで個人的には好き。しかしアケアカやらなんたらコレクションやらでかつての名作が手軽に遊べるようになった現在、それらを差し置いてわざわざこのゲームのほうを選ぶ意味があるのかというとちょっと微妙なところだ。オマージュ作品として二次創作的に楽しむならアリだが、今から始めるなら普通に元ネタのほうを遊ぶか、steamとかで新しめの似たようなゲームを探すほうがいいと思うぞ。