「コナミによる完全新作STG」、その報を聞いた時、全国のシューター達はどよめき興奮に沸き立った!グラディウスIIの開発チームが再集結!最新基板を用いた美麗グラフィックの数々!ゲーム雑誌でも大々的に特集を組まれ、期待を一身に背負う中リリースされたのがこのXEXEXである。このXEXEXである!
まず大部分の人は最初に「フリント」の存在にツッコむことだろう。R-TYPEじゃん!と。これは実際R-TYPEを意識して作られていることは疑う余地がなく、フリント以外にも自機の武装などにも類似するものが多数見られることから、制作者は分かった上でわざと似せてきているのは間違いない。しかしその意図については未だに不明である。なんでわざわざ期待の新作をR-TYPEのオマージュにしたのか。パルスターやレゾンなんかは制作者がR-TYPEの大ファンで、そのリスペクトを示すために似たゲームを作ったというバックボーンがあるが、XEXEXに関してそういう話は聞いたことが無い。いったい企画会議で何があったんだ……。
そして例のデモ。今日XEXEXがこれほどまでにSTG界で存在感を示すゲームになっている理由は、ぶっちゃけゲーム内容がどうこうよりあのアニメーションのおかげ(せい?)だということは皆も納得するところだろう。これについても、何がどうしてああなったのかまったく理解不能である。まあ当時はSTGイコール硬派というイメージが薄れつつある転換期で、コナミ自身もツインビーなどで積極的にアニメ風のイメージを前面に押し出すことで新たな客層の獲得を狙っていたようなので、そういった戦略の上で作られたものだとは思う。クオリティがどうしてああなったのかは分からんが。
とまあ幾多のネタに事欠かない本作だが、純粋にゲーム内容だけを見ればそこはさすがにコナミシュー、ちゃんと遊べるものになっている。さんざんフォースだの頭が悪いだの言われているフリント君も、実際の攻略においてはフォースとはまた異なった使い方を要求されるし、制御しにくいぶん弾消し性能においてはフォースよりも優れているので単なるパチモンには収まっていない。敵に噛みついて持続ダメージを与えるアイデアはアンカーフォースよりこっちが先だぞ!
グラフィック能力にいたっては当時のゲームの中でもトップクラスのクオリティだ。ラスタースクロールや半透明処理、疑似3Dなど当時の最新技術をこれでもかと豪快にぶち込んできていて、(デモシーンを除けば)とても美しく見応えのあるビジュアルに仕上がっている。詳しいことはよく知らないが、大きめに描かれた画像データをプログラム上で縮小してゲーム画面に表示することで、ハード性能の限界を超越した高解像度での描写を可能にしているらしい。最近のグラフィックボードに搭載されている高精細度技術と似たようなものだろうか。言葉の意味は分からんがとにかくすごいゲームだ。
1周だけなら難易度はそれほど高くないことだし、シューターならば話のネタとしてとりあえず押さえておいて損はない一品だと言えるだろう。