掲載100本振り返り雑記

[神崎って誰だよ]

ネットに自分のプレイ動画をアップし始めてからどれくらい経っただろうか。気が付いたらこのサイトに掲載しているゲームのタイトル数(=Youtubeにアップしたゲーム)が100タイトルを超えていた。

その活動の中において、これまで私は自分の持つ主義主張や自身にまつわる私的な話題を意図的に避けてきた。その必要が無いと思ったからだ。Youtubeにしろこのサイトにしろ、コンテンツの主役はあくまでゲームであり動画であり、私という個人に対して興味を持ってもらう必要は無いと思ったのだ。しかしながら開設当初はクソザコ過疎だったこのサイトも今やそれなりにアクセスされるようになり、私を個人的に応援してくれる人も次第に増えてきた。ありがてえ。

そこでこの100タイトルというところをひとつの節目として、これまでの活動を振り返ると共に、その中で思ったこと感じたこと、あまり表沙汰にしてこなかった個人的なことをダラダラと書き連ねてみたいと思う。言っておくが長いぞ!何しろ数年分だ。今まで腹に溜めていた分ここで全部ぶちまけてやるからなあ〜?(ニチャア)

[ゲームは三十路になってから]

ゲーム動画をアップするようになったきっかけは、端的に言えば「ヒマだったから」だ。まあヒマってのはちょっと語弊があるけども。つまり私生活にそれだけの余裕が出てきたということだ。

確かPS2中期ぐらいからだったろうか、かつては恐れ知らずのゲーム野郎としてブイブイ(死語)いわせていた私も、その頃リアルでなんやかんやあったおかげで次第にゲームからは遠ざかるようになってしまっていた。たまにゲーセンでSTGをちょろちょろ触ってはいたが、ゲームといえばその程度だ。それがひとまずの落ち着きを見せたのがXbox360が発売してしばらく経ったころ。金と時間をそれなりに自由に使えるようになった私はゲーム屋に走り、ゲームを買いまくった。さらにかねてから計画していた「ゲーム部屋」の構築に着手。商品の陳列で使うようなバカでかいメタルラックを購入し、そこにモニタとゲーム機をずらりと並べ、手を伸ばせば新旧山ほどのゲームがすぐに遊べる夢の環境を手に入れた。ゲーム復帰への第一歩であり、ダメな大人への第一歩である。

以前あるゲーム配信者が同じことを言っていたが、今が人生で一番ゲームやってる時だと思う。若い頃はゲーム以外にやらなきゃいけないことが沢山あったし、何よりゲームを買う金が無かったからな。歳をとるとゲームするのが億劫になる?ゲームする体力がない?バカを言っちゃあいけねぇよ。ゲームは30過ぎてからが本番だ!ただしそのためにいろんなモノを犠牲にすることになるので未来ある若者は聞く耳持たなくていいぞ。

[そしてYoutubeへ]

とは言え、さすがにただ漠然とゲーム漬けの日々を送るよりは、それが多少なりとも意味のあるものにしたいという気持ちはあった。ましてや古くからゲームに親しみ、今やそれなりに腕に覚えのある身。その「資産」の活用には一考の余地もあるだろう。と、そこで思い至ったのがYoutubeへの動画投稿だったわけだ。

当時STGは言うなれば転換期にあった。確かにXbox360は数多くのSTGが集い、久しぶりにシューター達が沸き立った名機ではあったが、それが単なる一過性のものにすぎず、少なくとも家庭用ハードにおいてその熱は次世代まで続かないだろうことは、家庭用にあまり明るくない私でもなんとなく察することができた。また、ちょっと先のことになるがSTG業界の雄であるCAVEがアーケード事業からの撤退を(断言はしていないが)決定。いよいよもって一つの時代が終わるといった様相だった。

実際にプレイしている側がそんな感じなのだから、STGに縁のない人たちは完全に与り知らぬところだったろう。もはやシューティングはシューティングですらなく、一般的にそれの意味するところはFPSを始めとしたアクションシューティングのことを指すようになっていた。「STGって面白いの?」とかそんなレベルの話ではない。そもそもSTGというゲームの存在自体が認知されていないのだ。だからネットに動画をアップし、誰かがそれを見ることでSTGのことを知るきっかけになってくれればいいと思った。まあ実のところそこまで深く考えていたわけではないんだが。「だったらいいなー」程度のものだ。

[敵勢言語]

ジャンルの認知の話ついでに触れておこう。海外では他のシューティングジャンルと区別するために、アーケードタイプの2DSTGのみを指す言葉として「Shoot'em Ups(Shmups)」が使われているが、私はこの呼称が嫌いだ。長いし覚えにくいしどう発音するかも分からん。DLショップとかで検索しにくくなるだけで何も良いことがない。いい加減ジャンルの表記は統一されるべきだ。そしてそれは「STG」であるべきだ。何がshmupsだ。ワシャそんな言葉認めんぞ。認めん!

[動画をアップロードするようになって分かったこと]

そうして動画のアップを始めたわけだが、やはり一視聴者の立場からでは分からないことは多々あるものだということを実感した。投稿者の視点から見ることで初めて見えてくるものがある。

まず最初に強く思ったのは、とてもめんどくさいということだ。そう、動画を作るのはめんどくさいのだ!動画作成の初心者向け解説サイトなどを見るとよく「誰でも簡単にできる」みたいなことが書かれているが、あれは真っ赤なウソだ。信じてはいけない。確かに技術的な面から見れば簡単とは言えるかもしれない。編集なんてとりあえず不要なシーンのカットだけできればいいわけだし。しかしそれにかかる時間、さらに長々と待たなければいけないエンコード、内容のチェック、アップロードしてタイトルやら説明欄やら記入して公開に至るまで。その手間、その労力を考えるととても「簡単」とは言い難い。やっとエンコードが終わって出来上がった動画を見てみたら音ズレしてた時なんかはマジ絶望する。ましてやゲームのプレイ動画というものは30分とか1時間とかいう長さになることが多く、そのぶんエンコードにかかる時間も長大になるわけで……。ゆっくり実況とかぶっちゃけ昔はナメてたところがあったが、自分が投稿者になってから心を入れ替えた。みんなすごいね。よくあんな編集できるよ。こっちは字幕入れるぐらいが精いっぱいだってのに。

飽きっぽい自分がそんな面倒なことをここまで続けることができたのは、ひとえにSTGというジャンルのおかげだと思う。STGはゲームの中でも極めてハイテンポな部類で、ゲーム開始からエンディングまでほぼノンストップで進行する。なのでカットや早送りといった編集をする必要がないのだ。いっそ無編集で丸上げしてもいい。これがRPGとかだったらおそらく数本アップしたところでやめていただろうな。需要があるかどうかは別として……動画投稿の入り口としてSTGはおススメできる。

一方でリアルタイムでの実況配信はどうかなあと思うところはある。同じステージをひたすら繰り返し見るのは視聴者にとってキツイだろうし、コメントを拾いながらのプレイはプレイヤーがキツイ。実際STG配信を見てると、コメントに気を取られて死んでいる場面をよく見る。だからってコメント無視するわけにはいかんしなあ、っていう。私自身もたまーに配信をやることがあるが、コメントしてくれた視聴者に返信するたびにゲームの進行が止まるのは、それはそれで申し訳ないと感じてしまう。最近めっきり配信する回数が減ってるのも実はそれが理由だったり。

だからこそSTGやってる配信者は積極的に応援していきたいとも思っている。と言ってもチャンネル登録とか高評価押すぐらいしかできないけどな。近年は家庭用ハードに配信機能がついてたり、Vtuberが手軽に作れるようになったことで今まで埋もれていた人材が続々発掘されているようだ。彼らが新しい風を起こしてくれることを期待したい。

[動画では伝わらないことがある]

動画のアップロードを始めてからしばらく経ち、動画編集の知識も身についてネット上におけるゲーム動画や配信文化のなんたるかを多少は理解し始めたころ、ただプレイ動画をアップしているだけでは限界があることを同時に感じ始めた。限界というのは主に情報伝達の手段としてだ。一つ例を挙げよう。

私の動画ではなく、誰かが昔アップした虫姫さまの真アキ撃破の動画だった。Youtube含め昔の動画サイトは容量や再生時間への制限が厳しく、STGのような短い動画でも3分割とか4分割とかで投稿されることが多かった。その真アキ動画もボス戦だけをピックアップしたものだったのだが、視聴者によるコメント欄にこんなことが書かれていた。「酷いゲームだ。初心者のことをまったく考えていない」。これがまさしく「限界」である。脆弱性とも言えるだろうか。そのコメントを書いたのがただの知識不足か悪意あるクソッタレかは分からないが、いずれにせよ情報の発信者の意図することを、受け取った者が正しく解釈し想定された反応をしてくれるとは限らないということだ。そして言語による補佐を受けないゲーム動画という形態はそのリスクを多分にはらんでいる。まあクソッタレは言ったところで聞きやしねえんだけどな。

さらに最悪なのはその反応が連鎖を起こすことだ。よく分かってない者がよく分かってないことをよく分かってるような口ぶりで語り、それを見た者がまたよく分かったような気になってしまう。人間は地味な正論よりも過激でセンセーショナルな妄言に飛びつきたがるもので、間違った情報に限って伝播の速度が異常に早かったりする。SNSが普及した今日は特にだ。これはSTGとかゲーム動画とかいう話ではなく、ネット上のあらゆるコミュニティに言えることだ。インターネットの登場によって既存のマスメディアによる支配は終わると言われているが、かねてから私はこの言には懐疑的だった。仮にメディアの主戦場がネットに移ったとしても、ネットを使うユーザー自身が依然としていやどうでもいいなこの話。ゲームだ、ゲームの話をしよう。

そこで動画以外の何か、もっと別の角度、別の形での発信もしたほうがいいんじゃないか、ということを思い始めたのだ。本当なら実況プレイとか自分でVtuberとかやるのが一番良いんだろうが……無理だ。私には無理だ。そこはみんなに任せる。私は私なりのやり方でいこう。

[中央管理局設立]

実はもともと外部サイトは作る予定だった。Youtubeの再生リストが使いづらいからだ。あれは例えば音楽だとか商品レビューだとか、何かしらのカテゴリに集約された動画を連続的に再生するためのものだと思った。私が欲しかったのはリストの中から目的のものを探して選ぶような使い方ができるフォーマットだ。人に見せる用でなく自分で管理するためのリスト(旧クリエイターツール)機能も、なんか重いし使いづらい。投稿した動画がどんどん増えるにつれて、それらを整理整頓する場所がYoutubeの外に必要になるだろうとずっと思っていた。そこに先述したような動画投稿における懸念が重なり、いよいよもって形となったのがこのサイトである。

やはり人間、言葉にせねば伝わらんことは多い。どうもシューターという人種は孤独を好むタイプが多く、高い実力があってもあまり人前に出てこようとしない傾向があるようだ。できれば、そういう「よく分かってる人」にどんどん表に出てきてもらって、このゲームはこうだ、これはこういうゲームだ、ということをもっと発信してもらえたらいいと思うのだが。

[なぜホームページなのか]

そんなこんなで作られたこのサイト、おそらく初めて訪れた人の大部分がまず同じことを思っただろう。「なんで今時ホームページだよ」と。言うまでもなく今のネットコミュニティの要はSNSにある。ややもするとブログすら時代遅れと言われてしまうのが現実だ。そんな中、商業サイトでもないのに必死こいてタグ打ちしてる奴がいたらそりゃ奇異の目で見られるのも止む無しといったところだろう。

しかしSNSは速報性に特化したツールだ。常に新しい情報を更新し、古い情報は切り捨てていくような使い方をするためのものだ。このサイトの利用目的を考えると速報性は必要ないし、ましてや掲載した情報はなるべく長期的に保存維持したい。っていうかしないと意味がない。これは冒頭で述べた「自身については語らない」という点にも関係している。クッソどうでもいい自分語りが5年も10年もネットに残るなんて悪夢だろ?ヘタしたら検索妨害もあり得る。10年先まで続けるつもりなら、10年経っても読む価値のある情報を載せるべきだ。そしてそれには昔ながらのホームページの形態が一番だと思った。もっとも、現在その理想を実現できているかは疑問なところだが……。

ちなみにSNSが悪いって話じゃないぞ。ネットはただの道具でしかないのだから、目的によって使い分けるのが良いということだ。情報を使い捨てることが前提の場ならばクソの役にも立たない自分語りでも何も問題ない。もちろん私も後先考えず好き放題言いたくなることはある。今言ってるな。そろそろやめとこうか。

[個人的評価とオススメ度]

具体的なサイトの中身について。こんなサイト作っておいて言うのも何だが私はゲームに関しては悪食の気があるようだ。クソゲー好き、とまではいかないが一般的に良作・駄作と言われているものと、私個人が思うゲームの評価はだいぶズレていることが多いように感じる。例えばネットでよくある「ドラクエで一番面白い作品は?」みたいな話の場合、多くの人はDQ3とかDQ5を挙げるだろうが私はDQ6が一番好きだ。まあ6が駄作扱いされる理由はよく分かる。ゲームとして粗いところがあるのは認めざるを得ない。でもダメなところも含めて好きなんだよなあ。フロントミッションだって最高傑作はセカンドであると言ってはばからないのがこの私だ。なので自分の好みで普通にゲームを評価しても、多くの人にとってあまり参考にはならないだろうと思った。評価をわざわざ主観と客観(オススメ)に分けたのはこのためである。

あとこれはいろんなところで公言してるので承知の方もいると思うが、私はSTGをプレイする時は基本的にスコア稼ぎをしない人間だ。となると稼ぎの楽しさに重点を置いているようなゲームはどうしても主観評価が低めになってしまう。どうかスコアラーの方は菩薩の心で見ていただきたい。

[ゲーム内容にどこまで突っ込むか]

このサイトの目的は動画をまとめるのと同時に、動画だけでは伝えられないゲーム内容の紹介・解説も兼ねている。各ゲームに載せてある短評がそれにあたるわけだが、現状もっとも不満というか手を入れたいと考えているのがこの部分だ。

いくらSTGがシンプルなゲーム性であるとは言え、ただ動画を見ただけじゃ何をやってるのか意味わからんというケースは多い。2000年以降はジャンルの成熟に伴うマンネリを打開すべく、革新的なシステムを持ったSTGが急激に増えた。マイルシューとか普段からSTGをやり慣れているプレイヤーでさえ、説明無しでは意味不明なことが多々あるだろう。なので軽い短評だけではなくもっとゲーム内部に突っ込んだ解説や、いっそ初心者向けの攻略記事まで載せたいというのが本当のところだ。

しかし人知を越えた遅筆である私にそんなことができるのかっつう話で。100本だぞ100本。書き終わる前に地球の寿命が尽きる。

[これからの活動]

まだまだ言いたいことは山ほどあるが、本当に終わらなくなりそうだし自分でも書いててだんだんわけが分からなくなってきたのでこのあたりでまとめに入ろう。

これから、とは言うものの、実のところこの先の展望とか計画とか全然ない。これまでに不備こそあれどやりたいことは一通りやったからな。さしあたり最も重要なことはそれを続けること、そして残すことだろうか。

このサイトはさくらインターネットの有料レンタルサーバを利用している。有料と言っても月額コーヒー1杯程度なので、私が破産するか、でなきゃさくらインターネットが破産でもしない限りこのサイトは存続されるはずだ。例えば10年後、もしかしたら20年後、どこかの誰かがこのサイトを見つけ、まだ見ぬゲームの存在を知ったり、もっと興味を持ってくれたり、少しでも何かの役に立つことができたらいいと思う。今なおつたないサイトではあるが、少しずつそういうサイトにしていきたい。

だから更新遅くてもゆるして。

2019/08/06

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