事実。多くのSTGはシステム上2人同時プレイができるように設計されているにも関わらず、そのプレイ人口は極めて少ないと言わざるを得ない。何故シューティングは協力プレイに向いていないのか?これは個人的な見解だが、どこまでも自己責任な世界であることが大きな要因ではないかと思う。例えばアクションゲームの場合、上級者と初心者の2人プレイでは上級者が率先して前に出ることで初心者をカバーすることができる。上級者同士であってもタンクとディーラーのような役割分担をすることで、ソロプレイとは違った立ち回りになりそこに新たな楽しさを見出すことができる。対してシューティングと言えば、上級者が初心者を守るようなことはできないのが普通だし、上級者2人の協力プレイでも結局は個々の腕が全てであり、どうにも「協力」してる感が薄くなってしまう。言うなれば「1人プレイを2人でやっている」ようなものだ。
しかし協力プレイに向いているSTG、1人プレイとは別の楽しさがあるSTGも確かに存在する。私はかつてSTGの協力プレイにどっぷりハマったことがあって、そこでさまざまなSTGの、普通とはちょっと違う側面を経験した。ここでは私がプレイしたSTGの中から協力プレイが面白かったと思うもの、オススメできるものをいくつか紹介したい。
個人的にはSTGで協力プレイと言ったらコレがないと始まらないってぐらいの超定番タイトル。元々ド派手で爽快感のあるゲームなうえにリフレクトフォースで相方のピンチを救うことができるため、初心者や非シューターにSTGの楽しさを手っ取り早く味わってもらうための接待ゲーとして極めて優秀。2人プレイ専用の会話シーンもあるし、これほど協力プレイに向いているSTGはないだろう。
ビデオシステムからの伝統として彩京シューは2人プレイでも敵が1Pか2Pどちらか片方しか狙わないという仕様になっている。これを利用すれば、狙われてるほうが敵弾を引き付けその間にもう片方が敵に重なりに行く、というような1人プレイではできないようなオシャレパターンを組むことができる。これぞまさに「協力」プレイである。個々の腕だけではなく相棒との意思疎通、信頼関係が攻略の要となるのだ。
グラディウスを2人プレイできるなんて絶対面白いに決まってる。沙羅曼蛇も2人プレイできたが、あっちはパターン通りにやらないと死ねるゲームだし、何より「自機同士に判定があって2人重なることができない」という仕様になっていて、いまいち協力プレイには向いてなかった。グラ外は割とアドリブでなんとかなるしカプセルも多いのでカジュアルに遊べる。レーザーモアイを巧みに破壊し、相棒を焼き払え!
何でだろうか、CAVEシューはあまり協力プレイには向いていないと思うのだが、エスプの協力はとても楽しかった。2人でやっても弾幕の形が崩れないからかもしれない。またバリアが非常に強力なので、2人で上手くゲージ運用すれば1人でプレイするよりも簡単にクリアできる。一方でショットとパワーショットの連射力が落ちるので道中での立ち回りには注意しよう。
2人プレイ限定の特殊システムに「怒りシステム」というものがあり、これが全方位+高威力+地形貫通のショットをばら撒く、と非常に強力。発動後に多少のクールタイムはあるものの制限なく何度でも使えるので、プレイヤー2人で交互に発動しながら進めば怖いモノ無しである。通常は戻り復活なところを2人だとその場復活になるので、スペシャルステージすらゴリ押しでクリアすることも可能だ。
昔のゲームは何故か海外版で仕様が大きく変更されることがあり、このゲームもそのうちのひとつ。難易度が大幅に引き下げられただけでなく、日本版では交互にプレイヤーが代わるタイプの2Pプレイだったのが海外版では2人同時プレイが可能になっている。画面の9割を覆い尽くさんばかりのワイドショットを2人で撃ちまくるのは爽快感BATSUGUNだ。
雷電シリーズには初代から2人プレイ専用の特殊攻撃があり、その伝統に従って本作にも「合体技」のシステムが採用された。1Pと2Pが重なって同時に溜め撃ちを放つことにより、めちゃくちゃ派手でカッコイイ極太レーザービームを射出することができる。…が、普通に溜め撃ちを使ったほうが強かったりするのは秘密である。
なんとこのゲーム、アーケードであるにも関わらず「3人プレイ」ができるというとても珍しいSTGである(今ではそう珍しくもないが)。ただしそのための調整を明らかに放棄しており、3人だとパワーアップはろくにできないしランクが爆上がりして2面ボスのホーミングミサイルがほぼ回避不能になる。はっきり言ってまともにゲームにならないがネタとしては面白いので、もし何かの間違いで経験できる機会があればぜひやってみてほしい。
ギガウイングと似たような理由でオススメできる。Xbox360版ならオンラインに対応しているので今プレイするならギガよりも現実的と言えるだろう。簡易エモーション機能もついており、ゲーム中に対応するボタンを押すことで相手に挨拶やお礼を言うことができる。新世代の新しいSTGの形としてオトメGと共に期待していたのだが、残念ながら後に続くゲームは無かった。
番外編として。Xbox360版の最大往生にはCPUに機体を操作させるオプションがついており、それを2P側に設定すれば「独り2人プレイ」をすることができる。なんともまあアブノーマルな遊び方だが、他に例のない唯一無二のゲームモードとして一度経験する価値はあると思う。CPUがちょっとおバカなのが難点だろうか。CPUの行動パターンも設定できたらよかったのに。
2020/09/18