最近、海外のユーチューバーで「post 10」なる人物の存在を知った。名立たる大御所ユーチューバーには遠く及ばないものの、その分野ではかなりの有名人らしい。何をしている人なのかというと、何をしているのかよく分からない人である。大雨で冠水した道路やゴミで詰まってしまった水路をどこからともなく見つけてきては、せっせとそこを掃除して水の流れを正常に戻して去っていく。または単純に水路のレビューをしたり、水場に棲む生物を観察したり、水場を歩いたりする。水の精霊か何か?
はっきり言って動画としては大したものではない。ほとんどが字幕もBGMもついていない無編集の垂れ流しだし、撮影に使っているカメラも、ピント調整にえらい時間がかかっているところを見るとありふれた普通のデジカメだろう。また投稿者である彼自身についても、特別トークが上手いとかすごい技術を持ってるとかいうわけではない(と思う)。
自ら進んでゴミ掃除をする人物、というと何か高尚な思想を持った博愛主義者のように聞こえるが、動画に映るその姿はどうもそういうのとは違うような気がする。どちらかというと自分の世界に生き、他者のことには興味のない偏屈な変人といった感じだ。
しかしそこに大きな親しみと好感が持てるのだ。そこそこ長期的に活動していて今やチャンネル登録者は10万を越えたというのに、まるでそのことに気付いていないかのように内容がブレない。朱に交わってなお変わることなく己の道を突き進むような彼の姿勢には正直憧れる。私は性根が完全に陰キャのそれなので、バラエティ色の強いガチャガチャした動画があまり好きじゃない。まあ私の動画の場合単にガチャガチャさせるだけの編集技術が無いってのもあるけど。扱っている動画のジャンルは全く違うし、そうでなくても彼の域に達することができるとはとても思えないが、人として動画投稿者として多くを見習いたいと思う。
本人チャンネルはこちら
https://www.youtube.com/channel/UCsCNU-ptlze2tqAJSDeVGNQ
2020/01/25