Othercide

個人的評価 ★★★
オススメ度 ★★★

 知ってる人には「XCOMライク」と言えばすぐ理解できるだろうか。基本的には古くからよく見知った、マス目で区切られた盤上でユニットを動かしながら敵を撃破していく戦略シミュレーションだ。ただし自軍や敵軍単位での「フェイズ」の概念が無く、キャラクターはそれぞれ行動力(AP)が溜まった者からターンが回ってくるというルールで、またAPが続く限り1ターンの間に何度でも移動や攻撃を行うことができる。

 正直シミュレーションゲームとしてはかなり簡素な作りだ。プレイヤー側が使えるクラスは4つしかないし、その各クラスが使えるスキルの種類もだいぶ少ない。レベルは15が最大。1マップで出撃できるキャラクターの数はだいたい3〜5人とやはりこれも少なめである。だがシンプルゆえに1回の行動の重要性がめちゃくちゃデカい。コマンドをミスったとしてもそれをフォローする手段がほぼ無いのだ。ほんの一手、ほんの1マス位置取りを間違えただけで取り返しのつかない大惨事になることがしょっちゅうあるので、敵の移動距離や行動範囲を緻密に計算しながら慎重にキャラを動かす必要がある。シンプルではあっても簡単ではないぞ。

 またそうさせているのはこのゲーム特有の「キャラが死ぬことが前提」のコンセプトも大いに関係している。恐ろしいことにこのゲーム、HPを回復することができない。回復アイテムとか回復スキルの類は無いし、マップをクリアしてもHPはそのままの状態で次のマップに行くことになる。なのでほんのわずかなダメージであっても許容することはできないのだ。あらゆる状況において常にノーダメージを目指さなければならない。それでもHPが減ってしまった時、回復させる唯一の方法は味方の一人を「生贄」にすることだ。そうすることでHPが全回復し、さらに生贄にしたキャラクターのLvに応じて能力値にボーナスが付く。そうして新たに味方を作成しては殺し、作成しては殺しながらキャラを強化していくのがこのゲームの大筋というわけだ。

 言わずもがなビジュアルも非常にユニークで個性的。自分が購入した動機も見た目に惹かれたからだしな。モノクロの映像に特定の色(赤)だけ着色するのは「シンドラーのリスト」など映画ではたまに使われる技法だが、ゲームで採用しているのは珍しい例ではないかと思う。敵クリーチャーのデザインもグロテスクながら妙なカッコよさがあってとてもナイスだ。ぶっちゃけ雰囲気ゲーなところはあるものの、その雰囲気にハマれる人ならば細かい欠点には目をつぶって最後までプレイできるクオリティはある。

[プチ攻略]

クラス・スキル性能など

[動画]

[OTHERCIDE] 1周目で全ボス撃破 字幕解説つきダイジェスト 1/2
[OTHERCIDE] 1周目で全ボス撃破 字幕解説つきダイジェスト 2/2

[リンク]

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