2023年 ゲーム録外伝

 いつもの。今年プレイしたゲームのうち動画を出してなかったりこのサイトで扱わなかったやつの感想まとめ。
2019年 / 2020年 / 2021年 / 2022年

[Soulslinger]


 可愛いチビキャラが一本道を疾走しながらゴールを目指すアクションのようで…シューティングのようで…とにかくちょっと変わったゲーム。攻撃手段は範囲が狭いが制限なく使える近接攻撃と、遠距離まで届くがリロードが必要な銃撃。ステージ道中やクリア時にはキャラクターを強化できるアップグレードアイテムが手に入り、またそれらの出現はプレイするごとに毎回変わる。なのでジャンルとしてはローグライトであるとも言えるな。
 あまりにも難易度が低すぎて物足りなさを感じてしまうが、ライト層が気軽に遊ぶにはこれぐらい思い切った調整にしてもいいと思う。問題はそのライト層はこんな無名のマニアックなインディーズゲームは遊ばねえってことだ。

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[N-GON]


 ゴリゴリにエフェクトのかかりまくった暗黒空間をハイスピードでぶっ飛んでいくサイケでスタイリッシュなSTG。ゲームシステムもとても独特で、画面上にマーカーを設置することで自機のショットをその方向に曲げることができるのだが、一方で敵のほうも「正面からの攻撃を無効化する敵」が多数出現する。マーカーの設置場所と相対的な自機の位置を計算し、上手いことショットを曲げて横や後ろから敵を攻撃しなければならないわけだ。これがまた難しいのなんの。暴れ馬のように弾道の不安定なショットを狙ったところに飛ばすのは至難の業で、これまで培ってきたSTGのテクニックがまったく通用しない。それだけに上達してある程度自機のショットをコントロールできるようになると妙な万能感があって楽しくなってくる。

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[Space Moth: Lunar Edition)]


 撃って避けてアイテムジャラジャラ。内容的にはありふれたオーソドックスな弾幕STGなのだが、敵の耐久力や弾幕の撃ち方がとても上手く作られていてストレスなく気持ちよくプレイできる。イイ具合にオレツエーを味わいつつも程よく難しくて緊張感のある絶妙な調整である。

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[Rabbit and Steel(デモ版)]


 対戦型シューティング「Maiden and Spell」の開発者が現在新たに制作中のレイド型ローグライトSTG。レイドと聞いて多くの人がMMORPGのレイドバトルを思い浮かべるだろうが今作のゲーム性はまさにそれ。あえて言うならヒーラーやタンクといったロールの概念がちょっと薄くて全員アタッカーみたいな感じなのが独特なところだろうか。オンラインで複数のプレイヤーとパーティを組み、協力してボス戦に挑む。味方と足並みを揃えて特殊ギミックをクリアするいわゆる「大縄跳び」はしっかりやらされるのでまさにレイドをSTGでやるゲームである。
 一戦ごとにランダムでアップグレードが手に入り、それで自キャラを強化していくところにローグライト要素がある。ガチなゲーム内容とは裏腹に童話のような柔らかくて愛らしいキャラクターたちは健在。類似するゲームがあまりに無さすぎてこれがヒットするかどうかはまったく読めないな。

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[Solbane]


 ボス戦のみで構成されたボスラッシュSTG。ラッシュって言うほどのスピード感はないけど。システム的にもタクティカルな要素が強く、ボスを倒すごとに手に入る武器や自機のアップグレードを上手く組み合わせて強い機体を作ることが攻略においてとても重要になっている。自分がプレイしたのは初期バージョンだったのだがその時点でも相当な数のカスタマイズ要素があり、自分好みのビルドを作るのが楽しかった。
 難易度は高め。っていうか初見殺しがすごく無慈悲。どのボスも個性的な能力を持っていて、とりあえずプレイヤーには一回死んでもらおうってなノリで特殊ギミックや即死攻撃が容赦なく飛んでくる。それらを実際に身に受け、じっくりと画面を観察しながらボスを倒すために必要なもの、その解法を導き出していくゲームだ。唯一、めっちゃ回復しまくるボスは本当に倒し方が分からなくて火力でなんとかゴリ押しするしかなかった。

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[Red Titans]


 Q-YO Blasterのデベロッパーが作ったゲームらしいがそうとは思えないほど地味で安っぽい。たぶんメインとなる制作者が違うんだろう。アホみたいに敵が硬くて爽快感はまったく無いし、難易度選択はおろかコンティニューすら存在しない一発勝負の漢仕様。現代STGで善しとされているゲームデザインを片っ端から無視して作られているゲームである。なんだかんだでけっこう楽しく遊んだけどね。

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[トルネコの大冒険]


 なんか知らんけど突然プレイしたくなって急いで中古屋に走って買ってきたゲーム。その2週間後ぐらいに唐突にシレンの新作が発表された。何かを受信したのだろうか。壺もなければ合成もない初期も初期の不思議のダンジョンだが自分にはこれぐらいシンプルなのがちょうどいいのかもしれない。初日から昼飯も食わず8時間ぐらいぶっ続けでプレイしてしまった。昔プレイした時は通常ダンジョンすらクリアできなかったが、今回はもっと不思議99階まで打開し無事リベンジ成功。満足した。

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[サガフロンティア リマスター]


 これも当時めちゃくちゃプレイしたゲーム。リマスターになってグラフィックがキレイになった以上にフィールド移動や戦闘が高速化されてプレイの快適さがケタ違いに向上した。シップの移動シーンをスキップできるのは「え?いいの?」って逆に心配になるレベル。ロマサガリマスターみたいなUIの改悪もない。
 でもなんかリマサガほどはハマらなかったな。数年前に一度やり直したからかな。原作の7主人公クリアしたらなんか満足してしまってヒューズ編は結局やらずじまいだった。オレが欲しいのは強くてニューゲームじゃなくてハードモードなんだよなあ。

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[ケモミちゃんの旅〜覚り少女と無垢人形〜]


 最初から無敵つきダッシュと2段ジャンプ標準装備でフィールドを気持ちよく駆け抜けることができるハイスピードプラットフォームアクション。攻撃モーションまわりに若干のモタつきがあってちょっと動かしにくいところはあるものの、敵の挙動がフェアで素直なものが多いのであまり気にならない。
 しかし何より自分が気に入ったのはこのゲームのシナリオ部分だ。森の中で独り目覚めたケモミちゃんが父親を探す旅に出る、というのがこのゲームの導入部でありおおまかな目的なのだが、ゲームを進めていくうちに次第に様子が変わってゆき、やがて物語は思いもよらぬ方向へと突き進んでいくことになる。またケモミちゃんの父親以外にも重要人物として別の親子の存在がメインストーリーに関わってきて、全編を通して「親と子」・「家族」といったテーマが繊細に描かれている。家族関係にここまで焦点を当てるのは同人ゲームでは珍しいタイプだな。ただし難易度はけっこう高いのでアクション苦手な人がストーリー目当てでプレイするとかなり苦労すると思う。

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[Metal: Hell Singer]


 ヴォォォォォ!メタルミュージックに合わせてリズムよく攻撃しながら敵を倒していく一風変わったFPS。上手くビートを刻みながら敵を倒すことができればコンボとなってスコア倍率が2倍4倍と増えてゆき、それにともなってキャラクターの能力も強化されていく。さらにはBGMもそれにリンクしていて、最初は静かなリズムだけだったのが倍率が上がるごとに新しい楽器が演奏に加わり、最大16倍でボーカルが入ってこのゲームは「完成」する。メタルの力をその身に宿し地獄の亡者どもを蹴散らすのだ。もっとも、自分はFPSがあまり上手くないのでこのゲームの魅力を存分に引き出すことはできなかったのだが。16倍維持して戦うのめちゃ難しくない?上手い人は1曲フルで演奏できたりするんだろうか。
 同系統のゲームでは「BPM」があるがあっちに比べるとこちらはだいぶオールドスクール寄り。マップはほぼ一本道で、エリアごとに湧き出る敵を片っ端から倒しながら進み続けるのみである。ちなみに主人公の悪魔ちゃんは女性です。

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[ストリートファイター6]


 発売前はあんまり乗り気じゃなかったんだけど動画とか見てたらなんかムラムラしてきて買っちゃった。インパクトを絡めた読み合い差し合いが非常に楽しい。ここぞ!という時にぶっぱなして上手いことカウンターできた時は気が狂うほど気持ちいいし、逆に振られたインパクトを返せた時はそれ以上に気持ちよくてたまらねえぜ。しかしプレイしていくうちになんかこれラッシュゲーなのでは?という疑念が湧いてきて……。自分の期待していたゲームとは違ったかなあという感じ。
 とは言え今の格ゲーは何年もかけてアップデートしていくことを前提としているジャンルである。まだ発売から1年も経ってないゲームをどうこう決めるのはいささかせっかちがすぎるというもの。こっちも何年も付き合うつもりで引退したり復帰したりを繰り返しながらのんびり付き合っていこう。

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[白き百合の乙女たち S]


 登場人物はほぼ全員女の子だしタイトルに百合と入っているのに百合要素は無いに等しい。景品表示法違反では?
 ゲーム内容的にはかなり詰将棋要素の強い戦略シミュレーション。なんとこのゲームには確率とかランダムといったものが一切存在しない。全ての攻撃は必ず当たり、全ての効果は必ず発動する。またキャラの能力値よりも相性が極めて重要。そのへんのザコ敵ですら物理無効とかダメージ反射とかの能力を持っているので、それに対抗できるスキルなり武器なりを持ったキャラでないとどんなに能力値が高くてもまるでダメージを与えられない。ステージごとにほぼほぼ攻略の解法が決まっており、それをいかに見つけ出すかを競うゲームだと言える。

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[Vampire Survivors]

 
 説明不要の超大ヒットインディーズゲーム。あまりにも人気すぎてこのゲームのタイトル自体が「ヴァンサバ系」というひとつのジャンルを生み出した。しかし個人的にはあんまり…っていうところ。どうにも虚無すぎんか?ステージクリアまでの30分のうち2割ぐらいの時間はとても楽しいのだが、その2割のために8割の虚無を過ごさなければならないのがとてもツラい。まあ個人的な好みの問題は置いといてこのゲームのデザインから学べることは多いと思うし、影響を受けた類似作品の中からまた新たに神ゲーも生まれるはずだ。このゲームが偉大な存在であるということは間違いない。

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[勝利の女神:NIKKE]

 
 実はサービス開始からやってるスマホゲー。最初はタイムクライシスみたいな遮蔽物を使った戦闘が面白そうだと思って始めたのだが実際はそんなゲーム性はほぼ無かった。まあスマホゲーだしね。あんまりガチでそういう戦闘やらされてもね。
 このゲームで真に目を見張るべきはケツではなくキャラバランス。サービス開始からもう1年以上経つというのに未だにトップティアで戦っている初期キャラが何人もいる。これほどまでにインフレが抑制されている基本無料ゲーというのは相当珍しいのでは。利益を上げ続けなければならない以上このゲームもいつかはインフレの宿命に呑まれていくのだろうが、それにどこまで抗えるのか見せてもらうとしよう。
 一方で課金自体はかなりエグい。なんの効果もないただのキャラ衣装がひとつ3200円だ。震えろ。

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 最近ゲーム業界がアツいとオレの中で話題に。インディーズのゴールドラッシュで次から次へと新しい良作が誕生しているし、ここにきて何故か今まで誰も手を付けていなかったような旧作の移植に積極的なメーカーが増えてきた。まあそのぶん大手の求心力が落ちてるような気がするので業界全体としてはどうなんだってのはあるけども。

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